品質管理・QC
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 16:33 UTC 版)
品質管理の起源は意外に古く、18世紀のアメリカで銃の製造にあると言われている。 銃の命中精度を上げるために各部品に規格値を設け、それから外れる製品は不良品として廃棄あるいは作り直した。1924年、アメリカのウォルター・シューハートが、この考え方を技術体系としてまとめ、品質管理、QCという技術として提唱した。1951年、エドワーズ・デミングが日本の戦後復興のために派遣され、QCの技術を日本に伝えた。 1960年代、日本企業が日本が得意とする方針管理などの手法とQCの技術を融合し、現場の意識改善活動として取り入れた。このとき、QCサークルやPDCAなどの方法論が開発された。それまでのQCは、どちらかと言えば検査や公差の技術や問題分析の統計手法などに限られており、目標を設定して達成するという運営手法が欠けていた。 一方、日本の精神風土で使われた方針管理という組織運営手法は多分に精神論的なもので、科学的な理由づけに乏しく、得られる結果は不安定なものだった。QCと方針管理の融合により、科学的に目標を設定し、科学的に問題点を分析し、科学的に目標を達成するという方法論が完成した。 その適用範囲は品質だけではなく、設計や生産技術、物流などにも及んだ。QCは品質管理部門ではもちろん、日本では生産技術、製造、設計でも改善手法として定着する。その後、日本の工業製品は急激に品質を高めると同時にコストを下げ国際競争力を増した。1980年代、日本の工業製品の競争力が世界で認知されるようになると、この日本式QCはKaizenとも呼ばれ、欧米に広まっていった。 また、この日本型QCを企業活動全体に適用できるように改良され、製造業以外の企業でもQCを取り入れることが積極的に行われた。これをTQC(Total Quality Control) と呼ぶ。さらにこれを企業経営に取り入れたものがTQM(Total Quality Management) である。TQMは1990年の頃のアメリカ企業で広く導入された。
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