品質管理上の影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/17 06:51 UTC 版)
早期にデジタル彩色に以降した作品(主に東映)では技術やノウハウが乏しかったため、あくまでもコスト削減を優先した弊害として品質に問題が生じる場合がある。 東映作品における初期のデジタル彩色作品では放送原版となるVTRマスター制作後にデジタルデータを廃棄しており、後年のソフト化の際に放送原版をマスターとしていたために解像度に問題があり、同社の『おじゃ魔女どれみ』のDVDが発売された際は「輪郭線がギザギザになる」といった苦情が寄せられてしまい、公式サイトで使用マスターについての説明を行い、放送原版完成前に一度デジタルコンポーネントビデオテープ(D1orデジタルβカム)で原版を完成させ、それを元にDVD用原版作成を行うなどの改善をしていくとしながらも、それ以前の作品に関してはデジタルデータ等の処分により改善策がないため、品質の低いマスターについての理解を求めた。 初期のデジタル彩色作品を現在の視聴環境での視聴に堪え得る品質にするためにアップコンバート処理が施されることがほとんどであるが、アプコンの過程で画像の鮮明度が下がったり、トレース線にジャギーが出るなどの問題点があった。キュー・テックでは2010年に『青の6号』のアプコンを引き受けた際に『高画質HDリマスタリングアップコン』を開発、念入りに全コマをチェックの上で個々に適した補正処理を行った。現在、このシステムは『FORS』と改名され、先述の問題点を排除した上で鮮明な映像を作っていくことを売りにしている。
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