品種特性・用途
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 14:45 UTC 版)
特徴としては、長所は良食味であり、初期生育が良く穂数確保が容易であること。短所は耐倒伏性と登熟性に劣ることである。食味に関わる成分のうち、数値が低いほど米の粘り気が増すアミロース値は、奨励品種決定直前の検査では19%を記録し、北海道米としては史上初めて20%を切ることに成功した。同じく粘りなどに関わり低い方が好ましいタンパク値も6.3-6.5で、やはり北海道産としては小さな値に収まっている。これにより従来の北海道米に比べると、粘り気があり冷めても美味しい米となっている。 いわゆるブランド米でありながら、コシヒカリなどの他のブランド米の品種と比べて価格が安く、粒が大きく炊き増えがすること、粒がしっかりとしていて汁気の多い食材と組み合わせてもふやけないことから、牛丼チェーンの吉野家、松屋[要出典]など、丼物を中心とした外食産業の業務用米として用いられることが多かった。きらら397のタンパク値は北海道産としては良好でも、本州の優良産地コシヒカリに比べるとやや高い値で粘り気が少ないとされるが、この点がかえって牛丼などの丼物には適していると歓迎された。 吉野家では北海道産のきらら397を主力として使用しており、1995年にきらら397をメインとしたブレンド米「吉野家規格」を定めたほか、同社向けにあえてタンパク値を高めて粘り気を少なくした専用仕様の生産も契約農家で行われた。牛丼に適したきらら397を業務用米として安価に入手できたことが「280円牛丼」を実現できた理由の一つでもあった。 ただし、きらら397は誕生から既に30年以上が経過しており、道内農家は高価格の「ゆめぴりか」にシフトして作付面積は減少している。またホクレンでは、きらら397の後継品種で食味が近く耐冷性・いもち病抵抗性が強い「そらゆき」へ生産を置き換える方針としている。 このため吉野家では2015年6月8日から、道内店舗を中心に「そらゆき」を含む北海道米100%ブレンド米を使用開始するとしたが、そらゆきの作付面積がまだ少ないため、そらゆきブレンド米の在庫が終了した段階できらら397ブレンド米に戻すこととした。 松屋は2021年現在、道内及び沖縄県の店舗では「ななつぼし」、その他の店舗では「あきたこまち」を使用している。
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