和蘭型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/29 01:03 UTC 版)
和蘭獅子頭 東錦 丹頂 茶金(茶金花房) 青文魚 羽衣 花房 琉金の突然変異をもとにしている。代表格である和蘭獅子頭の「獅子頭」の名の通り、頭部に肉瘤が発達している。一般に飼育しやすい品種が多い。いずれの品種も比較的長い体型を持つ系統と短い丸型の体型の系統のものがいる。 和蘭獅子頭(オランダシシガシラ) 江戸時代に中国から琉球を経て長崎に持ち込まれた。当時は鎖国の影響もあって珍しいものはオランダ物と呼ぶ風潮であったため、この名が付いた。獅子頭という名前の由来となった頭部の肉瘤が非常に発達している。色は赤、白、更紗模様。手に入れやすく、比較的丈夫なため飼育も簡単。日本で古くから親しまれてきた比較的長い体型を持つ系統(長手オランダ)と、近年になって中国から輸入されるようになった短い丸型の体型の系統(バルーンオランダ)の二つの系統が存在するが、両方とも流通は多い。 ジャンボオランダ/ジャンボシシガシラ 和蘭獅子頭の特に大型のものを交配して作られてきた品種。熊本県や長崎県など、主に九州地方の特産。大きな個体では体長が50cm近くにまで達する。 東錦(アズマニシキ) 昭和になって、和蘭獅子頭と三色出目金の交配で作られた品種。色はキャリコ模様。頭部に赤がしっかり出ているものが好まれる傾向にある。イギリスでは「キャリコオランダ」と呼ばれる。これの黒模様が出ず紅白のみが出たものは従来はハネられてきたが、近年は「桜東(サクラアズマ)」と呼んで新たなカテゴリで売るようになった。 丹頂(タンチョウ) 昭和に中国から輸入されたのが初めとも言われ、かつては「中国金魚」のカテゴリーで売られていた。日本人好みの紅白で人気を博し、現在は日本で広く作られている。白い体と赤い頭部が丹頂鶴を思わせるので、この名を持つ。英語では「レッドキャップオランダ(Red Cap Oranda)」、中国語では「ホントウユイ(紅頭鱼)」と呼ばれる。背びれがない「ガトウユゥイ(鵞頭魚)」と呼ばれる品種も中国では流通しており、日本でも鵞紅頭(ガコウトウ)として知られるが、こちらはタンチョウに比べあまり売られていない。 茶金(チャキン) 昭和になって日本に中国から入ってきたため、かつては「中国金魚」のカテゴリーで売られていた。名前の通り、色が茶であるのが最大の特徴。頭部の肉瘤が発達するものとしないものとがある。英名は「チョコレートオランダ(Chocolate Oranda)」、中国語ではこの色を茶ではなく紫と表現して「紫鱼 zǐyú(ツーユィー)」。流通は多いとはいえず入手はしにくいが飼育は難しくはない。 青文魚(セイブンギョ) 「青文」とだけ言うこともある。昭和になって日本に中国から入ってきたため、かつては「中国金魚」のカテゴリーで売られていた。名前の通り、青みがかった色を持つ。特に頭部と尾を除いて白く退色した個体は「羽衣(はごろも)」と呼ばれ、全体が白くなった個体は「白鳳」と呼ばれる。名前は中国で上からみた姿が「文」の字に見えるような三つ尾や四つ尾のキンギョを文魚と呼ぶことから。流通は多いとはいえず入手はしにくいが飼育は難しくはない。 日本花房/伊勢花房(ニホンハナフサ/イセハナフサ) 鼻孔のあたりに鼻髭または鼻房と呼ばれる房があるものを総称してこう呼ぶ。明治期までは伊勢地方で作られており、日本花房あるいは伊勢花房と呼ばれた。背ビレのないランチュウ(蘭ちゅう)型の花房は中国花房と呼ばれる。英名は「Pom pom」。
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