命令型言語の歴史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/14 14:18 UTC 版)
「命令型プログラミング」の記事における「命令型言語の歴史」の解説
最初の命令型言語はコンピュータ本来の機械語であった。1949年に機械コードをニーモニックに置き換えた低水準言語のアセンブラが登場した。機械語とアセンブラの命令は非常に単純であり、ハードウェアの実装は容易になっていたが、複雑なプログラムの作成は困難だった。1954年からIBMのジョン・バッカスが、初の高水準言語「FORTRAN」を開発した。FORTRANは機械語やアセンブラでの複雑なプログラム作成の困難さを克服するための言語であった。FORTRANはコンパイル式の手続き型言語であり、名前付きの変数、ニーモニックよりずっと複雑な式、サブプログラムといった命令型言語に共通の各種機能が利用可能であった。1958年から1960年代にかけて数学的アルゴリズムをより表現し易くする目的で手続き型言語「ALGOL」が開発された。手続きと制御フロー構文の導入で洗練されたALGOLは、バロースB5000などのコンピュータ用OS制作にも使われた。1959年から開発された事務処理用の「COBOL」と、1964年に制作された教育用の「BASIC」はどちらもソースコードを人間の可読性に合わせたテキスト寄りにした。1970年にはニクラウス・ヴィルトが開発した構造化言語「Pascal」が公開された。1972年にベル研究所のデニス・リッチーが開発した「C言語」が登場した。ヴィルトは1975年から80年代にかけてモジュラー言語「Modula」「Oberon」を設計している。1978年からアメリカ国防総省の要求でハネウェルのチームが新言語の策定を開始し、マルチパラダイム手続き型言語「Ada」が1983年に満を持して初回公開された。 1980年代になるとオブジェクト指向が急成長を遂げた。オブジェクト指向言語の多くは命令型のスタイルであるが、オブジェクトを扱う機能が追加されている。1967年から開発されていた初のオブジェクト指向言語「Simula」や、Simulaを参考にしてビャーネ・ストロヴストルップが1979年からC言語を拡張設計した「C++」がある。C++の登場は1983年で最初の実装は1985年である。1980年代後半から1990年代にかけてはオブジェクト指向のコンセプトを導入した命令型言語が次々と登場した。
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