呪縛—金融腐蝕列島2
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「金融腐蝕列島」の記事における「呪縛—金融腐蝕列島2」の解説
産経新聞に連載され、1998年に角川書店から発行、2000年に文庫本版として再版。前作やこの後の2作品と異なり、協立銀行を舞台としておらず、登場人物の繋がりもない。モデルは第一勧業銀行総会屋利益供与事件であり、題名の「呪縛」は第一勧銀の近藤克彦頭取が、記者会見で「呪縛が解けなかった。」と述べたことに由来する。1999年に東映配給で映画化された(後述)。 舞台は1997年、大手都市銀行の朝日中央銀行、通称ACB(Asahi Central Bank)。バブル期に行われた丸野證券がらみの総会屋への不正融資300億円の処理が問題となるが、旧態依然とした経営陣には危機感がない。しかし5月、東京地検特捜部がついにACB本店に家宅捜索に入る。役員らは頭取・会長の交替でことを済ませ責任を回避しようとするが、捜査の進展につれて事態が次々と明らかになり、マスコミから激しいバッシングを受ける。 主人公の中堅行員、ACB企画部次長・北野浩は、ACBの再生には役員が総退任し、「呪縛」を断ち切ることが必要だとして、志を同じくする同期のMOF担らミドル「4人組」と共に再建を進める。ACBの「呪縛」とは、総会屋やその背後にある暴力団のみならず、権力の座に居座り続けるOBや、旧朝日銀行・旧中央銀行の両派での派閥争いなど、長い時間をかけACBの内部に深く入り込んだものだった。 海外畑で不正と縁のなかった役員を新頭取に推し、北野はその秘書役となり再生を指揮する。一方で旧役員は逮捕され、検察の激しい取調べにより自殺者も現れた。検察に先んじて自ら問題を解決するため、真相調査委員会を立ち上げるACB。しかし最大の障壁は内部にあり、佐々木相談役—ACBの最高権力者であり、北野の義父でもあった。闇社会と旧態依然の体質に決別するため、そして総会屋で荒れるであろう株主総会に向けて、家族との関係に苦しむ北野ら4人組の闘いが続く。
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