名古屋スタディとは? わかりやすく解説

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名古屋スタディ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 15:11 UTC 版)

ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事における「名古屋スタディ」の解説

2015年12月、「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会愛知支部」からの要望で、愛知県名古屋市市内在住の7万人若い女性対象に、ワクチン副反応考えられる症状についてのアンケート調査行った(名古屋スタディ)。これは日本初ワクチン安全性確かめ大規模調査となった名古屋市立大学医学部公衆衛生学分野鈴木貞夫教授調査行った接種症状有無かかわらず全員調査する分析疫学手法調査実施され患者会から提示され24症状月経不順関節痛、光過敏簡単な計算できない簡単な漢字書けない不随意運動など)を使ってアンケート作成し、7学年女生徒全員調査票郵送しハガキ回答する形式行われ、約3万人回答得られた。 解析によれば年齢補正前の統計ワクチン接種群には月経量の異常、記憶障害不随意運動手足脱力4つ症状多くみられ、ワクチン接種群には体や関節疼痛集中できない視力低下、めまい、皮膚の荒れなどが、多く見られた。また24症状関与する要素についても検討された。ワクチンの種類病院受診有無、など様々なクロス集計実施された。 その結果症状間に強い関連性があったのは、ワクチン接種有無ではなく年齢のみであった年齢補正後、接種群が非接種群より有意に多い症状1種類もなかった。むしろ、年齢補正後の接種群は有意少な症状目立った。名古屋スタディでは、ワクチン症状因果関係を示すオッズ比相対危険度)を示すことが目的とされた。オッズ比大きければ薬害だと判断され、サリドマイドのオッズ比100超え薬害エイズ結核結核菌の関係では、理論上無限大になる(結核菌以外が原因結核にはならない)。しかし、名古屋市調査ではオッズ比は2を下回り低く薬害判断するのは無理があった。 2015年12月、これらを元に名古屋市は「接種者と非接種者で統計的に明確な差は確認できない」との速報発表した12月17日薬害オンブズパースン会議は、名古屋スタディに対して実態調査であることの限界から、分析疫学解析手法適用して接種群と非接種群の統計学的有意性検定行い因果関係推論するには適さない」という意見書提出した2016年6月名古屋市最終報告書では、生データ公開数値集計にとどめ、因果関係言及することを避けた。また最終報告では、鈴木24症状全てで、接種者に発症の多い症状見られなかったことを、オッズ比含めて報告したにも関わらず、非接種者を1とした場合に、接種者はどれぐらい症状起こっているのかを比較するオッズ比削除した削除理由として名古屋市健康医療課は、被害者連絡会や薬害オンブズパースン会議からの圧力踏まえたことを認め、「集団訴訟被告となっている製薬会社が、名古屋市調査速報ワクチンとの因果関係否定する証拠として、訴訟利用していることも知り、公正中立の立場から、市としては最終解析までは公表しないことを決めた」と説明した

※この「名古屋スタディ」の解説は、「ヒトパピローマウイルスワクチン」の解説の一部です。
「名古屋スタディ」を含む「ヒトパピローマウイルスワクチン」の記事については、「ヒトパピローマウイルスワクチン」の概要を参照ください。

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