同和事業に関わる不正・腐敗
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 09:24 UTC 版)
「部落問題」の記事における「同和事業に関わる不正・腐敗」の解説
同和対策事業の伸展に伴い、同和地区の環境改善は画期的に進んだが、巨額の予算の執行に伴い、それに関わった行政当局者、運動団体関係者による不正・汚職行為(いわゆるえせ同和行為)が少なからず発生し、マスコミを賑わせることがたびたびあった。 とりわけ1981年(昭和56年)の北九州土地転がし事件、2001年(平成13年)に表面化したモード・アバンセ事件、2006年(平成18年)に発覚した飛鳥会事件や奈良市部落解放同盟員給与不正受給事件、八尾市入札妨害恐喝事件など、運動団体の幹部と行政の癒着が報道されている。 特に一部の地方自治体で同和対策事業に関する不正が発覚した2006年以降、大阪市を始め各地方自治体では同和行政の大幅な見直しが行われることになった。 2008年(平成20年)鳥取県では、部落解放同盟鳥取市協議会の元会計責任者が架空の人権コンサートをでっちあげて平成17年度の市教委の補助金50万円を不正受給していたことも発覚した。 また、関係者の自作自演による差別事件なども複数発覚している。 これは実際には差別事件など起こっていないにもかかわらず、さも差別事件が発生しているように見せかけた悪質なもので、滋賀県公立中学校差別落書き自作自演事件や解同高知市協「差別手紙」事件などがその一例である。 これは、現在でも行われており、2009年(平成21年)7月7日には、福岡県で、同和地区の出身者である立花町(現・八女市)の嘱託職員の男が、自宅にカッターナイフの刃を同封した差別的な文書を、町役場にも差別的な記述があるはがきを匿名で送るという事件が発生した。 「被害者になれば町が嘱託の雇用契約を解除しにくくなると思った」と男は話しており、県警は偽計業務妨害の疑いで逮捕した。 2009年(平成21年)、福岡県では、2月、立花町役場に採用された被差別部落出身の男性から、県議に「差別問題を県議会で取り上げてほしい」との電話があった。 2003年(平成15年)から、この男性に対する44通の差別的なはがきが役場などに郵送されていた。県議は、電話を受け、県警に徹底捜査を要請した。しかし、3ヵ月後、逮捕されたのは「被害者」であるはずの男性だった(立花町連続差別ハガキ事件)。 この男性は、44通すべての関与を認めており、会合で話をして、講演料まで受け取っている。県警は、町に雇用を継続させることが目的だったと見ている。
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