反近代としての政教一致
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 07:05 UTC 版)
「オクシデンタリズム」の記事における「反近代としての政教一致」の解説
「政教分離」および「政教一致」も参照 こうしたオクシデンタリズムの核心には、「一体化」がある。例えば西洋の政教分離に反して、敬虔なムスリムにとっては政治・経済・科学・宗教は別のカテゴリに分離できない。哲学者の西谷啓治はムスリムではないが、自然科学・ルネサンス・宗教改革によってヨーロッパ精神文化が崩壊したと批判している。彼の理想は、政治と宗教が継ぎ目無く一つの全体を形成すること、言わば教会と国家が合体することにあった。戦時日本の神話・宗教は国家神道だが、それは古代日本の伝統というより、前近代のヨーロッパのキリスト教を曲解したことによる、近代の「発明」だった。 この種の国家宗教または「思考の政治」は、1930年代日本の京都から1970年代イランのテヘランにいたるまで、あらゆるオクシデンタリズムに見られる。この要素は全体主義において欠かせない。ヒトラーの第三帝国、スターリン体制下のソビエト連邦、毛沢東の中国では、宗教施設から大学の自然科学系学部まで、あらゆる機関が全体主義思想に従うように作り替えられねばならなかった。
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