反逆の儀礼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/07 01:30 UTC 版)
ほとんどの機能主義者は儀礼を社会的秩序の維持に結びつけているが、南アフリカの機能主義人類学者マックス・グラックマンは「反逆の儀礼」という用語を造語し、一般に受け入れられている社会秩序が象徴的に逆転されるようなタイプの儀礼をこれによって指すものとした。グラックマンによれば、儀礼は基礎にある社会の緊張を表現するものであり(この考え方はヴィクター・ターナーに従っている)、制度に組み込まれた圧力弁として機能しており、これを定期的に遂行することによってこうした緊張を緩めることができる。儀礼は究極的には、これらの緊張が実際の反逆を発生させることなく表現される限りにおいて、社会秩序を補強するような形で機能する。カーニバルはこれと同じ観点から見ることができる。彼が注意を喚起しているのは、たとえば、南アフリカのスワジランドのバントゥー王国の初穂の祭り(インクワラ)においていかにして通常の社会秩序が象徴的に転倒され、王が公然と侮辱を受け、女性が男性に対する支配を宣言し、若年者に対する年長者の権威が転覆されるかという点である。
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