反植民地主義・アルジェリア独立戦争
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/23 06:01 UTC 版)
「スイユ出版社」の記事における「反植民地主義・アルジェリア独立戦争」の解説
また、脱植民地化を支持する立場から、フランス領マルティニーク出身の精神科医フランツ・ファノンの『黒い皮膚・白い仮面』(1952年)、同じくマルティニーク出身のエメ・セゼールの1960年代以降の作品、フランス領西アフリカ(セネガル)出身のレオポール・セダール・サンゴールの1945年の処女詩集から晩年に至るまでのほとんどの詩集 がスイユ社から刊行された。 「永遠の作家」叢書編集長のフランシス・ジャンソンは、1957年にアルジェリア独立戦争中に民族解放戦線(FLN)を支持し、フランス軍の脱走兵をかくまうために地下組織「ジャンソン機関」を結成した。また、同年にスイユ社から刊行された(後のアカデミー・フランセーズ会員の)ピエール=アンリ・シモン(フランス語版)の『拷問反対(Contre la torture)』(1957年)は文字通り、FLNのテロリストに対するフランス軍の拷問に抗議する書であり、スイユ社経営者のフラマンへの献辞には、「ポール・フラマンに捧げる、共に牢獄に入るために」と書かれていた。スイユ社はFLNを支持するこうした活動のために、3度、プラスチック爆弾による秘密軍事組織(OAS)の攻撃を受けた。 なお、アルジェリア関連の書籍としては、北東部のオーレス(フランス語版)山地で民族学・人類学の調査を行い、さらに民族解放戦線地下組織の指導者ヤセフ・サーディ(フランス語版)との交渉にあたったジェルメーヌ・ティヨンの『イトコたちの共和国』をはじめとするほとんどの著書(深夜叢書刊行の数冊を除く)を出版している。 反植民地主義・辛辣なアメリカ批判で知られるジャン・ラクチュールは、1961年に現代史または時事問題の叢書「リストワール・イメディアット(直近の歴史・差し迫った問題)」を創刊した。エマニュエル・トッドの『新ヨーロッパ大全』(1990年)、『移民の運命』(1994年)、『世界の多様性』(1999年)などはこの叢書として刊行された。
※この「反植民地主義・アルジェリア独立戦争」の解説は、「スイユ出版社」の解説の一部です。
「反植民地主義・アルジェリア独立戦争」を含む「スイユ出版社」の記事については、「スイユ出版社」の概要を参照ください。
- 反植民地主義アルジェリア独立戦争のページへのリンク