反乱勢力への処罰
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 07:37 UTC 版)
「2016年トルコクーデター未遂事件」の記事における「反乱勢力への処罰」の解説
クーデターが鎮圧された後、エルドアン政権による一大粛清が行われる。 関与したとされる軍関係者が次々に身柄を拘束され、7月18日までに軍関係者、検察当局や判事など司法関係者の約7,500人以上を拘束したほか、警察官約7900人、地方の知事や首長30人を含む公務員8700人を解任した。 疑いをかけられた軍人の中でも最高位である前空軍司令官アキン・オズトゥルク(英語版)は一時、クーデターにて主な役割を果たしたことを自供したが、その後は容疑の否認に転じたと報じられた。オズトゥルクは18日にアンカラで開かれた刑事裁判所に出廷し、クーデターの計画も主導もしていないと容疑を否認した。 16日にはトルコ軍兵士8人がヘリコプターでギリシャに飛び、政治亡命を要請。しかし8人はギリシャへの不法入国やギリシャ・トルコ間の友好関係を悪化させた容疑に問われ起訴された。彼らはクーデター計画を知らず、上官の指示によりイスタンブールの路上にいた負傷者を運んだだけと弁護人に主張したものの、トルコのチャブシオール外相は8人を裏切り者とし、ギリシャに対し即時身柄引き渡しを求めた。 別の黒幕として、元軍法律顧問のムハレム・コセ(英語版)の名前がトルコ政府側によって挙げられている。コセはイスラム説教師のフェトフッラー・ギュレンの支持者であるギュレン運動の一員で、ギュレン運動はかつてエルドアンの支持母体となるなど、ギュレンとエルドアンは協力関係にあったものの、2013年末にエルドアン政権に大規模汚職事件が発覚し、エルドアン側はギュレンが仕掛けたものとして両者の関係は悪化。こうしたことから、トルコ政府は反乱勢力がギュレン運動とつながっていたとして、アメリカに対しギュレンの身柄引き渡し要求が行われたが、ギュレンはクーデターを非難し、自身の関与を否定している。また引き渡しを要求されたアメリカも、ギュレンがクーデターに関与した証拠を示すよう求めた。また、エルドアンと対立するエジプトやアラブ首長国連邦のクーデター支援も主張された。 2020年11月26日、トルコの裁判所はクーデター未遂事件をめぐり、元空軍パイロットら337人に対し殺人や憲法違反、エルドアン大統領の暗殺未遂などの罪で終身刑を言い渡した。
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