労働組合での活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/08 15:51 UTC 版)
「カレン・シルクウッド」の記事における「労働組合での活動」の解説
カー・マギー社に雇用されてから、カレンは石油・原子力労働組合(英語版)地方支部に加盟し、プラントのストライキに参加した。ストライキの終了後、組合の交渉委員会の委員に選出され、健康と安全問題についての調査任務を割り当てられた。 カレンは、欠陥のある呼吸装置や不適切なサンプルの貯蔵によって、労働者の汚染物質への暴露など、おびただしい健康規則違反を引き起こしていると考えた。カレンは、十分なシャワー施設の欠如が従業員への汚染リスクを増加させているとも考えた。 1974年夏、カレンはアメリカ原子力委員会において証言し、生産のスピードアップのために従業員たちは貧弱な訓練のもとでタスクを与えられ、安全基準は無視され、そしてカー・マギー社の従業員は燃料棒を不適切に扱っており、会社は検査記録を改ざんしていると告発した。 1974年11月5日、ルーチンの自己チェックを行ったところ、自分の体が法定基準のほぼ400倍に達するプルトニウムで汚染されていることを発見する。彼女は、プラントで除染を受け、追加分析のために尿と大便の収集キットを与えられて、自宅に戻された。奇妙なことに、彼女が使用したグローブの外側の表面にはプルトニウムが付着していたが、グローブ自体にはどのような穴も開いていなかった。これは、汚染がグローブボックスの内側ではなく、ほかの場所に由来することを示唆していた。 翌11月6日朝、組合の交渉会議に向かう途中で、再度プルトニウムに陽性反応が出た。この朝はペーパーワークしか行っていなかったことから、これは驚くべきことであった。カレンはさらに入念な除染を受けた。11月7日、プラントに入る際、カレンの体が深刻な度合いで汚染されていること、カレンの呼気でさえ危険であることが発見された。放射線医学のチームがカレンとともにカレンの自宅を訪れ、屋内のいくつかの表面、特にバスルームと冷蔵庫にプルトニウムの痕跡を発見した。この家はのちに解体され除染されている。カレンと彼女のパートナー、およびハウスメイトはロスアラモス国立研究所に送られ、彼らの体の中がどれくらい汚染されているかを突き止めるため、多層的検査が行われた。 論議は、シルクウッドがこの3日の間にどのように汚染されたかに集中していた。シルクウッド自身は、自分は悪意に満ちた攻撃の犠牲者であり、彼女に与えられた試験用採取ビンには、前もってプルトニウムが混入されていたと主張していた。バスルームの汚染は、彼女が11月7日に朝に、尿サンプルをこぼした際に発生した可能性があった。これは、彼女が家で採取したサンプルは異常に高いレベルで汚染されていたが、プラントとロスアラモスで新鮮な採取ビンを用いて採取されたサンプルの汚染は、それよりも大幅に低かった事実と符合する。 カー・マギー社の経営陣は、会社にネガティブなイメージを与えるために、彼女が自分自身を汚染したと主張した。プラントのセキュリティーは極めて緩く、労働者は完成したプルトニウム・ペレットを容易に持ち出すことができたとされている。
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