労働組合との対決
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 14:26 UTC 版)
「ティーパーティー運動」の記事における「労働組合との対決」の解説
2011年2月18日、ウィスコンシン州のスコット・ウォーカー州知事が推し進める公務員労働組合の団体交渉権を大幅に制限する「財政修繕法案」に反対して、教職員組合などを中心に反対派市民が立ち上がり、大規模なデモが発生。州議事堂に乱入する騒ぎとなった。ティーパーティー活動家たちはデモのために休職した教職員の実名リスト公表して攻撃するなどして知事側を支援したが、同法への反対は1週間のうちに隣接するイリノイ州、バーモント州、オハイオ州、さらにはペンシルベニア州、ニューヨーク州、ケンタッキー州などにも拡大した。これはインターネットを中心に政治活動を行うリベラル派市民団体「ムーブオン・ドット・オルグ」が、各州の労組支援に動き、連帯したからであった。オバマ大統領の草の根市民団体「オーガナイジング・フォー・アメリカ」なども反対運動に加わったが、同法は結局、3月10日に可決された。「組合への攻撃」は、労組を支持基盤とする民主党への間接的な攻撃でもあったが、ティーパーティー運動の後押しをうけた共和党の知事や州議会の支出削減の動きは、労働組合らの激しい抵抗にあって、草の根の元祖である労組との、草の根対草の根という熾烈な争いとなって全米に波及し、刺激を受けたリベラル派は次のウォール街占拠運動へと走った。財政再建への世論の後押しもあり、保守の「激しい歳出カット」という政策は一定の支持を得たが、この点においてティーパーティーと共和党主流派の境界は曖昧になり、独自勢力としての存在感は薄れた。
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