労働大学、党内の教育研究活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/24 04:45 UTC 版)
「ジョルジュ・ポリツェル」の記事における「労働大学、党内の教育研究活動」の解説
1932年にバルビュスとロマン・ロランの提案によって共産党系の教育機関として労働大学(L'Université ouvrière)が創設されると、1935年度の「マルクス主義講座」を担当し、1937年に講義内容を編集した同名の『マルクス主義講座』が共産党出版局から刊行された。なお、没後1946年にこの講義の受講生のノートに基づいて『哲学の基本原理』(「哲学の諸問題」、「哲学的唯物論」、「形而上学の研究」、「弁証法の研究」、「史的唯物論」、「弁証法的唯物論とイデオロギー」の五部構成)が刊行され、本書の邦訳『哲学入門』は1952年に初版が刊行された後、1974年まで版を重ねた(著書参照)。さらに共産党教育機関の責任者エティエンヌ・ファジョン(フランス語版)からの依頼により、労働大学だけでなく、パリ郊外のジュヌヴィリエ(オー=ド=セーヌ県)の初等教育機関、次いでアルクイユ(ヴァル=ド=マルヌ県)の中央教育機関でも哲学を教えた。 一方、モーリス・トレーズ書記長は、知識人の党員を党の活動に資する研究活動に携わらせ、ポリツェルは、党主催のデカルトの『方法序説』出版(1637年)300年記念事業の企画、同じ労働大学の教員で物理学者のジャック・ソロモン(フランス語版)とのエンゲルスの『自然の弁証法』の共訳、唯物論研究グループの結成などに参加した。この研究会は工業物理化学高等専門大学の物理学者ポール・ランジュヴァンの研究室で行われ、研究成果は、ランジュヴァンとマルクス主義哲学者・政治活動家のジョルジュ・コニオ(フランス語版)が1939年に創刊したマルクス主義の紹介のための学術雑誌『思想(フランス語版)』(季刊誌)に発表された。同誌創刊号掲載のポリツェルの「哲学と神話」は、国家社会主義ドイツ労働者党員・反ユダヤ主義の理論家アルフレート・ローゼンベルクを批判する記事であり、第2号に「合理主義とは何か」を掲載した。ローゼンベルク批判はこの後、第二次世界大戦中の地下出版活動においても継続されることになる(後述)。
※この「労働大学、党内の教育研究活動」の解説は、「ジョルジュ・ポリツェル」の解説の一部です。
「労働大学、党内の教育研究活動」を含む「ジョルジュ・ポリツェル」の記事については、「ジョルジュ・ポリツェル」の概要を参照ください。
- 労働大学、党内の教育研究活動のページへのリンク