創作資料
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 15:56 UTC 版)
「イリヤッド-入矢堂見聞録-」の記事における「創作資料」の解説
作中には創作史料や史跡が登場する。 パウル・シュリーマンの日記 ハインリヒ・シュリーマンの孫パウル自体が実在を疑われており、一般にシュリーマンがアトランティス探索をしていたという話は、ニューヨーク・アメリカンの記者の創作だとされている。作中ではパウルは実在したが、記事自体は山の老人を恐れた記者とパウルの創作であったとしている。なお、7巻166ページに出てくる日記の内容は創作であるが、元ネタはシケリアのディオドロスのビブリオ・テーケー(飯尾都人訳『ディオドロス神代地誌』)であり実在する。 東方見聞録の祖本、スペイン語版 2巻が初出。当然ながらマルコ・ポーロの東方見聞録自体は実在するが、祖本に記されていたという新しい記述関係は全て創作である。なお作中のキーマンの一人でもある東方見聞録の共同編集者のピサのルスティケロも実在するが謎の多い人物であり、アーサー王伝説の物語作家であったかは不明であり別人説がある。ただしクリストファー・コロンブスがアトランティス探求者であったのかということは不確かであるが、実在するアンティル諸島はアトランティスを語源とする。 ミハリス・アウゲリス 3巻が初出。ミハリス・アウゲリスはギリシャの大衆小説家であり、アトランティス研究者ということになっているが創作である。作中では『ソロンの詩』『イソップ物語』の編纂者ということになっている。イソップとソロンが知り合いであるというのはヘロドトスが歴史で記しているが、友人関係にありサントリーニ島に関するなぞなぞを出したということは知られていない。当然ミハリス・アウゲリス編纂本にしかない柱の王国(14巻所収)も作者の創作。 百合若大臣説話 4巻が初出。日本各地に様々な形で伝わっている説話。オデュッセイアと類似しているというのは作者独自の説ではなく、坪内逍遥が最初に指摘し、多くの研究者によって検討されている。 クレタ島のゼウスの洞窟(9巻所収) 3万年前のものとされる壁画が描かれており、ネアンデルタール人と古代文明との関わりが示唆されているが、創作である。この遺跡を調査しているテルジス博士は、クロマニョン人は現代人の祖先ではなく絶滅種だとし、後に入矢もカナリア諸島のグラン・カナリア島の自然人類学博物館を訪れたさいに同じことを述べているが、現代ヨーロッパ人の多くがクロマニョン人の子孫であることは、遺伝学的に証明されている。また、ネアンデルタール人とクロマニョン人が同時代に存在したのは間違いないが、両者の接触と相互の影響についてはまだ確証がない。 カナリヤ諸島 ガイウス・プリニウス・セクンドゥスによれば、B.C.600にフェニキア人ハンノが発見し、当時は無人だが巨大な建造物があったという。なお冥王のピラミッドは明白な創作であるが、テネリフェ島にはトール・ヘイエルダールが発見したグイマーのピラミッドと呼ばれる遺跡がある。
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