制服多様化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/27 04:11 UTC 版)
2021年にはLGBTなどの性自認に関する多様化やコロナ禍で換気をする教室での寒暖調整のために、制服の多様化を進める学校が増加した。制服については学校長判断で変更等が決められるが、2019年4月から、中野区と世田谷区では全区立中学校で女子生徒もスラックスの制服(標準服)を選べるようにした。世田谷区では上川あや議員の経験による質疑がきっかけとなった。福岡市では中学校長会の代表や保護者代表などによる市立中学校の制服を見直す検討委員会が発足し2019年5月には新たな標準服の案がまとまり、同年福岡市は全69校のうち4校がジェンダーフリーの独自学生服を採用。残り65校も福岡市が準備した新たな標準服となり、市内全校がスラックスとスカートを自由に選べる選択式の標準服を採用した。動きやすさや寒暖への対応のほか、男女に関係なく、ズボン、キュロット、スカートのいずれを着るか選べる。栃木県の県立高校では、コロナ禍対策の換気による防寒もあり6割で女子生徒にもスラックスが導入されている。既存の制服では寒暖差に応じた調整が難しく、また生徒が小学校でズボンを履き慣れていて制服のスカートに戸惑ったり、性差があらわな格好に抵抗を感じることがあるため多様性や機能性の配慮から女子用スラックスを追加するなど制服見直しが静岡県で進んでいる。 また制服を見直す団体には制服が肌に合わず苦しんだ、など体質的な問題を提起する声も寄せられている。一式の購入費が8~9万のため家計への負担のコストも考慮すべきとの意見もある。制服については教育委員会ではなく学校長判断で着用が決定するが、公正取引委員会は2020年7月に愛知県豊田市にある県立高校6校の制服販売において価格カルテルを結んでいたとして、同市の販売業者3社に対し、独占禁止法違反で再発防止を求める排除措置命令を行うなど流通に不透明さが残る場合がある。
※この「制服多様化」の解説は、「学生服」の解説の一部です。
「制服多様化」を含む「学生服」の記事については、「学生服」の概要を参照ください。
- 制服多様化のページへのリンク