初演その他についてとは? わかりやすく解説

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初演その他について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 04:00 UTC 版)

恋飛脚大和往来」の記事における「初演その他について」の解説

恋飛脚大和往来』という演目歌舞伎演じられ例については、伊原敏郎著『歌舞伎年表』(第三巻宝暦7年1757年)の記事次のようにある。 ○七月二十八日大坂大松座(大西)、「恋飛脚大和往来」。切狂言初月夜最中心中」。 これが知られる限り最も古いが、渥美清太郎は、『恋飛脚大和往来』の初演はこのときではなく、この以前にすでに上演されていただろうという。しかし「初月夜最中心中」が「梅川忠兵衛」の道行所作事ならば、「月夜」だとか「心中」などとあるのをみると、『冥途の飛脚』のものとは内容異なっていたと考えられる。これは天明5年1785年4月大坂上演された『昔今恋飛脚』においても、大切所作として『恋闇卯月の楓葉』が出されている(「卯月」は旧暦4月のこと)。『冥途の飛脚』や『けいせい恋飛脚』の季節正月に近い頃である。また寛政6年1794年8月江戸桐座では『四方錦故郷旅路』(よものにしきこきょうのたびじ)を上演しているが、その大切に月眉恋最中』(つきのまゆこいのもなか)という常磐津浄瑠璃による所作事出し番付には四代目松本幸四郎役名が「大和のやぼ大じん実は新口村孫右衛門」とあるなど、これも『冥途の飛脚』や『けいせい恋飛脚』とは違う内容だったようである。 いっぽう安永9年1780年7月には、江戸市村座で『道行恋飛脚』(みちゆきこいのひきゃく)が上演されている。これは『けいせい恋飛脚』の「新口村」の詞章にいくら手を加え富本節浄瑠璃演じたのであるこのように歌舞伎における「梅川忠兵衛」はその時々で内容書替え、また一方では『けいせい恋飛脚』の内容沿って上演されていた。しかしそれも時代が下ると『けいせい恋飛脚』に沿った内容集約され、『恋飛脚大和往来』の外題上演されることになる。ただし江戸ではそれとは別に、場所を江戸にした書替え物が幕末に至るも上演されている。 現行演じられる恋飛脚大和往来』の内容については、寛政年間にまでさかのぼることができる。国立国会図書館デジタルコレクションには「亀屋」のほかに「茶屋場」(封印切)と「新口村」を合綴した台本公開されているが、「茶屋場」の最初に役名とそれを演じ役者の名が記されている。この役割寛政4年1792年2月京都北西芝居興行の『恋飛脚大和往来』の番付照らし合わせるとほぼ同じものであり、内容としてはこの時のものとみられるその本文は多少相違はあるものの、『日本戯曲全集』に収める台本と同じ系統のものである。この系統台本多少改変を経ながらも、現在の封印切」や「新口村」として伝わっている。

※この「初演その他について」の解説は、「恋飛脚大和往来」の解説の一部です。
「初演その他について」を含む「恋飛脚大和往来」の記事については、「恋飛脚大和往来」の概要を参照ください。

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