出資法と貸金業者
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「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の記事における「出資法と貸金業者」の解説
もともと貸金業は自由営業だったが、高利貸を取り締まる必要が生じたため、1939年8月金融業取締規則(1939年警視庁令29号。旧憲法9条に基づく)が制定された。貸金業は警視総監の許可制となり、一定額の営業資金の保有が許可要件とされた。しかし、新憲法施行によりこの規則が失効し、一時的に無規律の状態となった。経済・社会の混乱と資金不足を背景に、高利貸や預金類似行為を行う者など、いわゆる闇金融が広く発生しており、これを取り締まる必要があって、1949年5月貸金業等取締法(1949年法律170号)が制定された。 この法律は、貸金業者の「預り金の禁止」と、銀行などの役職員の「浮貸し等の禁止」などを定めた。この「預り金の禁止」により、貸金業者の貸付原資は、自己資金または親族縁故など特定少数者から集めた資金に限られることとなった。そのため、違法ゆえ貸金業の届出が受理されない者や、引き続き他人資本を利用して貸金業を行いたい者などが、「特別金融機関」または「類似金融機関」を名乗って、不正金融を行うようになった。前者の代表例が、1953年10月に破たんした保全経済会(=「匿名組合形式の利殖機関」を標榜した)であり、後者が「株主相互金融」である。 1954年6月出資法は、その保全経済会事件を受けて制定された。すなわち、「出資金の受入の制限」を定めるとともに、貸金業者に課されていた「預り金の禁止」を、広く一般に課すこととした。また、同法による「預り金の禁止」では、社債の発行による貸付原資の受入れも「預り金」であることが明示された。なお、貸金業等取締法が「殖産会社の整理」という所期の目的を達する一方、同法に基づく届出制に弊害が生じていたことから、これを廃止し、貸金業者については簡易な届出制度を存置することとなった。 また、1954年6月の法改正(1954年法律198号)により、出資募集の際の誇大宣伝の禁止を目的として、証券取引法の改正(特定価格による買戻保証の表示禁止(旧法の191条の3)、確定利益配当等の保証の禁止(同191条の4)。現行法の170・171条)も行われた。この証取法改正は「米国のブルー・スカイ・ローの継受である」ということが一部で喧伝された。
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