出直し選挙とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > ビジネス > 新語時事用語辞典 > 出直し選挙の意味・解説 

出直し選挙

読み方:でなおしせんきょ
別名:出直し選

地方公共団体の長辞職した者が、新たな長を選出する選挙候補者となって再選目指すこと。あるいはそうした性質を持つ選挙のこと。政策議会反対により膠着している場合などに、選挙によって有権者民意を問う目的行われることがある。

出直し選挙は、1956年公職選挙法改正に伴う立候補制限の導入により、一旦禁止された。この改正は、当時地方公共団体の長の間で、次の選挙戦有利に進めることを企図し、早期辞職する行為広く行われていたことへの対抗措置とされている。

その後信任選挙としての出直し選挙の意義見直されたことにより、1962年公職拳法改正では、出直し選挙が再度合法となったその際、「第259条の2」が新たな条項として追加され退職申し出た者が当選した場合には、任期延長がされないという特例定められた。なお、リコール解職請求)を受けて失職した地方公共団体の長が、出直し選挙の候補者となることも可能であり、その者が当選した場合にも、第259条の2による特例適用される

出直し選挙は、時に多額選挙費用を必要とすることから、税金無駄遣いなどとして批判される場合もある。

関連サイト
公職選挙法 - 総務省e-gov

でなおし‐せんきょ〔でなほし‐〕【出直し選挙】

読み方:でなおしせんきょ

地方公共団体首長辞職した人が、再選目指し立候補して行われる選挙


出直し選挙

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/11/19 02:29 UTC 版)

出直し選挙(でなおしせんきょ)は、地方公共団体の長の職の退職を申し出た者が当該退職の申立てがあったことにより告示された地方公共団体の長の選挙に立候補して行われる選挙公職選挙法259条の2)。

概要

すなわち地方公共団体の長の職にある者(都道府県知事市町村長)が、その職を退職し、その退職によって実施されることとなった選挙(都道府県知事選挙・市町村長選挙)に再び立候補して行われる選挙である。

通常、地方公共団体の長の任期は選挙の日から起算され(公職選挙法259条)、地方公共団体の長の任期は4年とされている(地方自治法140条1項)。しかし、出直し選挙の場合には現職首長が対立陣営の準備不足を狙って不意打ち的に辞任して選挙に出直し立候補をして当選後の4年の任期を確保する政治的戦略を目的とする出直し選挙の事例[注 1]が多発して問題視されたために、公職選挙法は特例を設け、地方公共団体の長の職の退職を申し出た者が出直し選挙において当選人となったときは、その者の任期については退職の申立てによって告示された選挙がなかったものとみなして任期の計算がなされる(公職選挙法259条の2)。つまり、出直し選挙の当選者が、地方公共団体の長の退職を申し出て再び当選した者である場合には、その者の任期は出直し選挙前の任期の満了時まで(当初の任期の残任期間)ということになる。地方公共団体の長の職の退職を申し出た者以外の候補が当選した場合は通常通り4年の任期となる。また、不信任決議可決やリコールによる失職による出直し選挙には適用されない。この仕組みは1962年の法改正で導入された(1956年には前述の理由から辞職した都道府県知事と市長は当該退職の申立があったことにより告示された当該地方首長選挙への立候補を不可能とする法改正がされたが、弊害が指摘されたために1962年には町村長も含めた地方首長は辞職しても立候補自体はできるが前述のように前職が当選した場合は任期としては当該選挙がなかったものと扱う旨の法改正がされた)。

事例等

  • 出直し選挙で前職首長のみが立候補をして無投票当選となる例もあるが、1962年以降の場合は任期は当選から4年ではなく残り任期となる。無投票当選の場合は選挙戦が行われるよりも地方自治体の費用が抑えられる面はあるが、それでも投票用紙選挙ポスターの公設掲示板などの準備等で費用はかかる。出直し選挙が無投票当選になった例として2009年岐阜市長選挙などがある。
  • 2010年和歌山県白浜町長選挙では、任期が間近に迫った町長が民意を問うために辞職し、3月7日に出直し選挙が行われて現職の町長(当時)が再選されたが、公職選挙法259条の2の規定によって前回の町長選挙から2週間あまりしかたたない同年3月22日に再び任期満了の選挙が行われて新人が町長に当選し、半月の間に2度も町長選挙が実施されるという異例の事態が発生した。
  • 2014年大阪市長選挙では出直し選挙となったが、前職の橋下徹が率いる大阪維新の会以外の主要政党が擁立を見送ったことで橋下以外の3人はいわゆる泡沫候補であった。選挙結果は橋下が37万7472票で再選したが、無効票が6万7506票となり落選者3人の得票合計の5万3895票よりも多い事態となった。大阪市が支出した選挙費用約5億円は税金の無駄遣いだったとして、市民団体のメンバーらが出直し選挙を実施した橋下に同額の支払いを請求するよう大阪市に求める訴訟を起こしたが、2015年9月10日に大阪地裁は「市長が自発的に退職し、選挙で住民の意思を問うことが許されるのは明らか」と違法性を否定して請求を棄却した。
  • 2019年3月に松井一郎が大阪府知事を、吉村洋文が大阪市長をそれぞれ辞職し、次回首長選挙では出直し選挙規定を避けるために松井一郎前大阪府知事が2019年4月の大阪市長選挙に、吉村洋文前大阪市長が2019年4月の大阪府知事選挙にそれぞれ立候補する「出直しクロス選挙」が行われた。
  • 2024年9月に斎藤元彦兵庫県庁内部告発文書問題で「斎藤氏は潔白を主張しているが、県政の停滞を招いているのは事実だ」などの理由により、9日に日本維新の会からの辞職と出直し選挙を求める申し入れと[1]、12日に自民党公明党、ひょうご県民連合、共産党の4会派と無所属議員4人による共同で即時辞職の申し入れを受け[2]、計86名の全議員から辞職を迫られる事態となった[2]。19日に県議会で斎藤に対する不信任決議が全会一致で可決された[3][4]。これを受け斎藤は、26日に県議会を解散せず30日付で自動失職し、2024年兵庫県知事選挙への出馬することを表明した[5]

脚注

注釈

出典

  1. ^ 産経新聞 (2024年9月9日). “維新が兵庫知事に辞職要求、党幹部「県政が停滞している」 斎藤氏は応じない構え”. 産経新聞:産経ニュース. 2024年11月3日閲覧。
  2. ^ a b 産経新聞 (2024年9月12日). “自民など4会派、兵庫県知事に「即時辞職」申し入れ”. 産経新聞:産経ニュース. 2024年11月3日閲覧。
  3. ^ 共同通信 (2024年9月19日). “兵庫知事に不信任、解散か失職へ 10日以内に判断、可決は5例目 | 共同通信”. 共同通信. 2024年11月3日閲覧。
  4. ^ 斎藤元彦・兵庫県知事の不信任案可決 5例目、議会解散か失職選択”. 日本経済新聞 (2024年9月19日). 2024年11月3日閲覧。
  5. ^ 産経新聞 (2024年9月26日). “「県政にとって重い判断」兵庫・斎藤元彦知事、自動失職し出直し選出馬を正式表明”. 産経新聞:産経ニュース. 2024年11月3日閲覧。

関連項目



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「出直し選挙」の関連用語

出直し選挙のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



出直し選挙のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
新語時事用語辞典新語時事用語辞典
Copyright © 2025 新語時事用語辞典 All Rights Reserved.
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの出直し選挙 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS