児童文学・動物物語とは? わかりやすく解説

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児童文学・動物物語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/09 07:08 UTC 版)

動物文学」の記事における「児童文学・動物物語」の解説

動物文学はその性質として児童文学分野結びつきやすく、例えば『シートン動物記』や『ファーブル昆虫記』など、かならずしも子供向け書かれたものでない著作もしばしば子供向け再話され児童文学化してゆく傾向がある。おとぎ話メルヒェン)にもしゃべる動物登場するものが多いが、近代になって子供向けの本が量産されるうになるとすぐに動物登場する本も作られ例え18世紀なかばのイギリスではジョン・ニューベリー(英語版)によって、『小さ紳士淑女のためのかわいい絵本』 (1752) など、人間の子供と動物親しく会話するような本がいくも手がけられている。こうした中から、ドロシー・キルナー(英語版)『あるネズミ一代記』 (1783) のような作品嚆矢として、動物自分生涯を自ら語ったり、あるいは主要な役割を担う長編動物物語現われはじめた(「動物物語」は動物登場する物語全般をも指すが、狭義には寓話ファンタジー除かれる)。しばしば動物愛護精神説くために書かれこうした動物物語は、イギリスでは1810年代より一時下火となるが、動物語り手となる形式アンナ・シューエルの『黒馬物語』 (1877) の成功によって見直され動物語り手とする物語というパターン定着させた。一方ラドヤード・キプリング『ジャングル・ブック』 (1894) で、動物育てられ少年物語という、動物物語別のタイプ提示している。 世紀の変わり目には、別節でも取り上げたアーネスト・シートンの『私が知っている野生動物』 (1898)によって、さらに新しタイプ写実的かつドラマティック動物物語開拓された。この流れは同じカナダ人のG.D.ロバーツ英語版)『赤ギツネ』 (1905) 、アメリカジャック・ロンドンによる『野性の呼び声』 (1903)、『白牙』 (1906)、イギリスのヘンリー・ウィリアムソン(英語版)による『かわうそタルカ』 (1927) などに受け継がれており、アメリカとカナダでは1920年代から1940年代にかけて写実的な動物物語優勢をしめた。こうした流れのなかで、ウィル・ジェイムズの『名馬スモーキー英語版)』 (1926)、マージョリ・キナン・ローリングスの『子鹿物語』 (1938)、エリック・ナイトの『名犬ラッシー』 (1940) といった、人間視点から動物への愛を語るタイプ名作生まれている。他方イギリスではこの時期ケネス・グレアムの『たのしい川べ』 (1908)、ビアトリクス・ポターの『ピーターラビットシリーズ (1902 -) など、動物人間の性類型としつつその一種社会的生活を描いた作品描かれており、この傾向ヒュー・ロフティングの『ドリトル先生シリーズ (1920 -) をはじめとして両大戦間イギリスにおける動物物語大部分特徴付けている。日本においてはこうした動物物語円熟するのは第二次大戦後であり、『高安犬物語』(1954, 直木賞)の戸川幸夫や、「大造じいさんとガン」 (1941) などで知られる椋鳩十によって一連の動物物語書かれていった

※この「児童文学・動物物語」の解説は、「動物文学」の解説の一部です。
「児童文学・動物物語」を含む「動物文学」の記事については、「動物文学」の概要を参照ください。

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