元末四大家とは? わかりやすく解説

元末四大家

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/09 05:22 UTC 版)

元末四大家(げんまつしたいか)は、中国元代末期の文人画家である4人のこと。


  1. ^ 元の夏文彦『図絵宝鑑』が初見とする説がある。


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元末四大家

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中国の絵画」の記事における「元末四大家」の解説

黄公望(1269 - 1354?年)は江蘇常熟の人。旧姓は陸で、後に黄家養子となる。字は子久で、大癡(だいち、「大馬鹿者」の意)、一峯道人などと号した。若い時には仕官したこともあったが、ある事件連座して投獄された後、仕官あきらめて各地放浪し売卜占い)で生計立てたという。本格的に絵を始めたのは50歳を過ぎてからのこととされる。画論『写山水訣』がある。絵の代表作には『富春山居図』(台北故宮博物院)がある。同図は長さ6メートル超える画巻で、公望が晩年隠棲した浙江富春郷の山描いたものであり、至正7年1347年)から3年間をかけて完成した。『富春山居図』を所持していた清時代収集家・呉洪裕は、自らの死の直前に図を火にくべて燃やそうとしたが、焼失する前に絵は救い出された。しかし、その際巻頭部分損傷して切断された。現在、浙江省博物館所蔵される『剰山図』がその巻首部分であるという。 呉鎮1280 - 1354年)は浙江嘉興魏塘鎮の人。字は仲圭で、梅花道人号した。元末四大家のうち他の3者は互いに交友があったが、呉鎮のみは他の文人と交わらず、孤高清貧生涯送った。元末四大家の他の3者が水墨画着色画の双方描いたのに対し呉鎮もっぱら水墨山水や墨竹を描いた。絵は江南山水画の董巨(董源と巨然)に倣う。代表作至正元年1341年)の『洞庭漁隠図』(台北故宮博物院)などがある。 倪瓚(1301 - 1374年)は無錫代々富豪の家に生まれた。初名は珽(てい)で、後に瓚に改めた。字は元鎮で、雲林蛮民、幻生などと号した倪瓚早くに父を亡くし長兄によって養育された。長兄没後28歳家督継いだ家柄から、倪瓚の家には多数書物書画があり、文人との交友多かった。しかし、50歳を過ぎて家財売り払い各地転々と放浪する生活を20年近く続けた典型的な画風は「蕭散体」(しょうさんたい)あるいは「一河両岸」と称されるもので、モチーフ絞り余白の多い画面特色とする。近景土手数本樹木や亭を描き遠景小さく山を配しその間の中景を広い水面とする構図典型的で、前述の「一河両岸」はこの構図由来する代表作至正15年1355年)の『漁荘秋霽図』(上海博物館)、洪武5年1372年)の『容膝斎図』(台北故宮博物院)などがある。 王蒙(1301または1308年 - 1385年)は湖州浙江呉興)の人。字は叔明で、香光居士黄鶴などと号した。元末四大家の中では唯一官途につき、理問という下級官吏であった画風倪瓚とは反対に画面の下から上までモチーフ隙間なく積み上げ細かく描き込むのが特色である。元の滅亡後明に仕えたが、胡惟庸の獄に連座し、獄死した。代表作至正26年1366年)の『青卞隠居図』(せいべんいんきょず、上海博物館)などがある。

※この「元末四大家」の解説は、「中国の絵画」の解説の一部です。
「元末四大家」を含む「中国の絵画」の記事については、「中国の絵画」の概要を参照ください。

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