元本割れのリスク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 09:39 UTC 版)
「中期国債ファンド」の記事における「元本割れのリスク」の解説
リスクはあると言われながらも長らく元本割れしたことがなく非常に安全性が高いとされていたが、2001年11月22日に三洋投信委託が運用する中国ファンドが初めて元本割れを起こした。 損害保険会社の大成火災海上保険は、アメリカの再保険ブローカーと再保険契約を締結していたが、アメリカ同時多発テロ事件により多額の再保険金の負担が発生して債務不履行に陥り破綻、2001年11月22日午前に会社更生法を申請した。この大成火災のコマーシャル・ペーパーを三洋投信がファンドに組み込んでいたため、そのうち約50億円が回収不能となったことが原因である。 それまで単価は1口=1.00円程度だったが0.98円程度まで下落して元本割れが発生し、三洋投信の中国ファンドを販売する証券会社と保有する個人投資家を中心に大混乱に陥った。 通常の中国ファンドは中期国債を投資先として運用しており、元本割れは考えられず、販売窓口である証券会社も投資家も事実上の元本保証と捉えていた。 三洋投信のファンドは、三洋証券が破綻した際に大量解約が発生し、その時の保有有価証券の多額の売却益と解約に伴う信託財産留保額が積み上がり、元本割れ直前で年率2%以上の高い運用利回りを誇っていた。取り扱い証券会社がごく一部に限られていたことから、他社が運用する中国ファンドを解約して、三洋投信の中国ファンドを取り扱う証券会社で購入し直した者もみられた[要出典]。 三洋投信委託は元は三洋証券系列の投資信託運用会社だったが、クレアモントキャピタルホールディングが買収したため生き残った。2003年1月1日からプラザアセットマネジメントに社名変更した。 「三洋証券」も参照 公社債投信は元本割れを起こせばその時点から新規で買い付けできない規約により、直後に解約した投資家は、元本割れしたままで解約せざるを得ない状況となった。最終的にファンドを精算した際、それまでの大量解約と大成火災CPへの投資金の一部が回収できたことにより、逆に剰余金が発生し、運用終了まで保有した人には元本以上の返戻金が発生した。 MMFも、マイカル・エンロンの社債を組み入れていた三洋投信および同業他社の複数のファンドが、両社の破綻により2001年11月までに元本割れが発生した。そのうちの三洋投信は、2000年8月29日に初のMMF元本割れを引き起こしていた。
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