作曲者自身による演奏の指示
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/27 05:37 UTC 版)
「カミング・トゥゲザー」の記事における「作曲者自身による演奏の指示」の解説
声 テキストの最初の言葉(I think)は、アウフタクトで始める。その後は、テキストは各小節の始めの部分で朗読される。ナレーターは、テキストの文章を繰り返す際に毎回異なった声の調子になるよう努めるべきである。 楽器 たいていの場合8から10人で演奏されるが、任意の楽器で演奏可能である。少なくとも1人は楽譜に書かれたベースライン(普通は、エレクトリック・ベースかベース・ギターで演奏する)を演奏すること。ベース・ラインは、ピアノやシンセサイザーを使って強化してもよい。それ以外の楽器に関しては、8つのセクション(AからHまで)それぞれで幾分異なるように演奏する。楽譜に書かれたベース・ラインに沿って演奏するが、すべての音を演奏してはならない。それらの音のいくつかを、時にはランダムに、時には与えられた指示にならい、時には音を演奏し続け、時には省略する。音が長いか短いかにかかわらず、ベース・ラインと一緒に演奏しなければならない。ユニゾンにするか、それともオクターブで重ねるかは楽器しだいである。セクションA 全楽器、フォルティッシモの低いG音で始め、2,3小節は維持すること(次第にピアニッシモへ小さくする)。最後にはベース・ラインだけが残る。数小節休止した後、非常にやわらかく、ピアニッシモで長く保持した音で互い違いに演奏を繰り返しながら、次第に楽器が増えていく。各音は少なくとも1小節は続き、その後は数小節は休んだほうがよい。音をどのくらい伸ばして演奏するかは、演奏する楽器の数によって異なる。しかし、一般的な効果として、異なった楽器がお互いにフェードイン、フェードアウトしつつ、個々に孤立した音になるようにすべきである。 セクションB 楽器を高音と低音の2グループにわける。高音のグループはアクセントのついている音のみを演奏し、低音のグループは低いG音のみを、いくらか伸ばして演奏する。 セクションC セクションAといくらか似た特徴を持つが、より活発である。1から2小節の間1つの音を保持する代わりに、セクションAと同様に、各演奏者は2,3音からなる短いフレーズを演奏する。レガートで演奏し、各音は2から4拍の長さである。各フレーズは、数小節の休止をはさむこと。セクションAと同様に、1度に1つか2つの楽器だけが演奏する。 セクションD セクションBと似ているが、役割が入れ替わる。高音楽器は高いB flat音のみを演奏し、低音楽器はアクセントのついている音だけを演奏する。 セクションE 各演奏者は、任意に音を選んで、約3,4小節の短い旋律を演奏する。ただし、16分音符を連続して2つ演奏することはしないように。演奏はレガート、ピアニッシモで行う。1つのメロディーは、5つから10個くらいの音からなるだろう。各演奏者は、1つのメロディーを終えたら、1から2小節休止する。それから、また別のメロディーを演奏する。このやり方を覚えるのは少し難しいかもしれない。重要なことは、すべての楽器が周期的な間隔で演奏をしない(たとえば、ビートにのせて)ということである。演奏者は前もって、どの音を演奏し、どこを休止し、つぎにどこから始めるかを決めておいたほうがよい。セクションEの終わりですべての楽器は次第に演奏をやめ、最後にベースのみが残る。 セクションF このセクションはセクションEと似ているが、ヴィルトゥオーゾ的要素を持つ。各演奏者は任意に音を選択し、スタッカート・スフォルツァートで演奏する。続けて2つの16分音符を演奏しないようにして、できるだけ速く演奏すること。ベース・ラインとともに正確に演奏するよう気をつける。同時に1つのピッチだけ演奏されることで、楽器の音色が連続的、かつ急速に変化していくような効果をあげるようにするのがよい。 セクションG 今度は、個々の音をではなく、16分音符のグループを各演奏者が演奏することを除いて、セクションFと同じホケトゥス的効果を続ける。グループは演奏者が任意に選ぶ。最初は短く(3から4音)始め、長めの休止(数拍)をとり、セクションHが近づくにつれて、次第に演奏する部分を長く、休止部分を短くしていく。 セクションH 全員が全ての音を演奏する。もしくは、息が続く限り等の条件のもと、できるだけ多くの音を演奏する。音の大きさはできるだけ大きく、すべての音は終わりまで正確に演奏されること。テンポは厳密に一定を保ち、曲の終わりは鋭く断ち切るのがよい。
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