低公害バス「エバーグリーンシャトル」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 08:09 UTC 版)
「富士急行」の記事における「低公害バス「エバーグリーンシャトル」」の解説
富士急行グループのバスでは、1995年(平成7年)以降継続的に低公害バスを導入している。山梨県や静岡県で独自の補助金制度があることもあって、地域子会社も含めたグループ全体の台数は2009年現在天然ガスバス(CNGバス)42台とハイブリッドバス11台で、日本の民間バス事業者としては最大規模である(1社単独の場合は山梨交通が最大ユーザーである)。 富士急行では1970年代から富士山登山バスへの低公害バス導入を検討していたが 、富士山登山バスは山梨県側で最大8%、静岡県側では9.6%という急な勾配の上り坂が続くという厳しい条件の路線であり、低公害と登坂性能の両立ができなかった。しかし1990年代中盤以降、ハイブリッドバスやCNGバスが登場したことを機に具体的な検討が開始された。 富士山登山バスのルートで各種試験を行った結果、走行性能が通常のディーゼルバスと比べても遜色ない・黒煙の排出がない・騒音も低いといった条件をクリアした日産ディーゼルのCNGバスが導入車両として決定した。 1995年7月24日から「エバーグリーンシャトル」と命名されたCNGバス2台が富士山麓での運行を開始した。これは都市部以外では日本で初のCNGバス導入事例である が、当時は都市部でさえも天然ガス充填施設は限られており、富士山麓に天然ガス補給のための充填施設は存在せず、東京ガスから供給を受けたガス を、横浜市鶴見区からトラックで陸送していた。しかし1回のトラック便ではバス2台分のガスしか搬送できず、そのトラックの燃料代などがかさみ、通常のバスの約20倍ものコストがかかってしまうものになった。このため、1996年には系列会社が営業する富士急ハイランド内のガソリンスタンドに、1億1,300万円を投じたエコステーションが併設された。民間ベースでエコステーションを設置したのは富士急行が初めてであり、またガソリンスタンドに併設されたエコステーションは日本で初めてである。この年にはCNGバスは9台に増車されていた。 以降、富士登山バスを運行する営業所・地域会社では継続的に低公害バスが導入されている。特に独自の補助金制度のある山梨県内では、毎年の新車に必ず低公害車が含まれており、2005年からはハイブリッドバスの導入も開始された。2012年にはいすゞ自動車のエルガCNG車を2台、富士急山梨バスに初導入した。 CNGバスについては、低公害バス専用の「エバーグリーンシャトル」カラーになっている。この低公害バス専用カラーはハイブリッドバスにも引き継がれ、2006年以降に導入された日野ブルーリボンシティハイブリッドでも採用された。 フジエクスプレスが運行受託する東京都港区のコミュニティバス「ちぃばす」でも、初期導入車8台がCNGバスの日野・リエッセであった。「ちぃばす」では低公害バスとして、日野・ポンチョ電気バスも導入されている。 CNGバス(富士急山梨バスF7854) CNGノンステップバス(富士急山梨バスF8273) CNGバス(富士急山梨バスF8764) CNGノンステップバス(富士急山梨バスF3268) ハイブリッドバス(富士急山梨バスF2961)「エバーグリーンシャトル」 ハイブリッドバス(富士急山梨バスF1612)「リゾートエクスプレス」 CNGバス(フジエクスプレスT2477)「ちぃばす」 電気バス(富士急バスF0053号車)
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