伝統的スポーツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 00:45 UTC 版)
詳細は「en:Basque rural sports」を参照 バスク地方の伝統的なスポーツとしてはペロタ・バスカがある。ペロタ・バスカは素手もしくはラケットとボールを用いるコートスポーツ / 球技である。ペロタ・バスカはパリオリンピックでは正式競技として開催され、その後は1924年パリオリンピック、メキシコシティーオリンピック(1968年)、バルセロナオリンピック(1992年)の3大会で公開競技として開催された。1929年にはバスク・ペロタ国際連盟が設立され、ヨーロッパや南北アメリカを中心にフィリピンやインドなども加えた27カ国の連盟が加盟している。1940年からスペイン全国選手権が開催されており、バスク地方にはプロ選手が存在するほか、ナバーラ州ではサッカー選手よりもペロタ選手のほうが人気があるとされる。ペロタ・バスカの変種にハイ・アライがあり、特にアメリカ合衆国でプレーされている。ハイ・アライは羊皮でくるまれた125-140gのボールを用い、「あらゆるスポーツの中でもっとも硬いボールを用いる」とされることがある。ホセ・ラモン・アレイティオはハイ・アライのボールで時速302km (188 mph)を記録したことがあり、これはボール競技の世界最高速度となっていたが、2007年にはゴルフボールのロングドライブ競技(英語版)で、ジェイソン・ズバックが時速328km (204 mph)を記録して世界記録を塗り替えた。ハイ・アライにはギャンブルの要素も加わっている。 農作業から生まれた伝統的スポーツも人気が高く、克己心や忍耐力を必要とするバスク民族固有の特性が反映されている。イディ・プロバック(巨大な石を制限時間内に引っ張る競技)、セガ・アプストゥア(刈り取った牧草の重量を競う草刈り競技)、エリ・キロラク(巨大な石を肩まで担ぐ石の担ぎ上げ競技)、アイスコラリ(斧だけを用いて丸太を切断する丸太切り競技)、ソカ・ティラ(綱引き競技)、チンガス(両手に鉄の塊を持って歩く競技)などがある。これらの競技にもギャンブルの要素が加わり、祭礼には欠かせないイベントとなっている。伝統的スポーツは職業の作業形態を競技化したものがほとんどであり、そこには原初的なスポーツの成立過程がみられる。サッカーを除けばバスク人は近代スポーツへの関心が薄いとされ、他民族に比べて固有の伝統的スポーツの人気が高い。桁はずれな体力と気力を必要とする競技ばかりであるが、格闘技の要素を持つ競技はみられない。
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