付け人への暴行と引退
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/11 08:23 UTC 版)
2018年冬巡業中の12月5日、同月4日に付け人であった貴大将柊斗に対し暴行を加えていたと日本相撲協会が発表した。4日23時ごろ、巡業先の宿舎で忘れ物をした貴大将が言い訳をしたことに怒って素手で顔面を殴打したという。翌5日朝、巡業の会場に遅れて現れた貴大将に相撲協会関係者が聴取して暴行が分かった。相撲協会は暫定的な処置として貴ノ岩を冬巡業を途中休場として帰京させた。5日午後には貴ノ岩は師匠の20代千賀ノ浦とともに国技館を訪れて鏡山危機管理部長らから聴取を受け、事実を認めたうえで謝罪している。一部報道によると貴ノ岩は暴力行為の常習犯という見方が為されており、解雇を含めた厳罰が下される恐れもあった。同月7日午後、貴ノ岩は20代千賀ノ浦とともに再び日本相撲協会を訪れ、危機管理委員会の聴取を受けたうえで引退の意向を表明し、相撲協会はこれを受理したことを発表した。20代千賀ノ浦や八角理事長が引き留めた中での引責引退であった。 不祥事での引退ではあるものの「最後の花道としてやってあげたい」という20代千賀ノ浦の尽力により、2019年2月2日に両国国技館で断髪式が行われた。断髪式では1月に和解が報じられていた元日馬富士、暴行事件のあった酒席に同席していた白鵬・鶴竜・石浦のほか、荒鷲や千代翔馬、弟弟子であった貴景勝・貴源治などの現役力士や角界関係者などが出席し、20代千賀ノ浦が止め鋏を入れた。「第二の人生に向けて、一生懸命精進したい。いろんなことに挑戦していきたい」と心境を語り、欠席となった元師匠・貴乃花に対しては「感謝の気持ちでいっぱいです」と話している。 引責引退の原因となった暴行事件について刑事告発を受け、福岡県警行橋署は2月26日付けで元貴ノ岩を傷害容疑で書類送検していたが、福岡地検小倉支部は同月28日に「被害者が被疑者の刑事処罰を望んでいないことなどを考慮した」として不起訴処分としていたことが3月7日に報じられた。 3月1日にモンゴルへ帰国のおり、付き添っていた支援者とマスコミの取材に応じた。母国に牧場を持っているため今後の収入・家族との生活に心配はなく、土俵人生の最後まで援けた20代千賀ノ浦夫妻に感謝し、いつか部屋の応援がしたいと電話で話したという。
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