他の競技との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/05 07:57 UTC 版)
モトクロスは専用のダートコース(土の露出したコース)や人工的に作られた丘などをオフロード用のオートバイで走破する競技である。このため同レース用の競技車両(モトクロッサー)には公道走行で必要となる保安部品は取り付けられない。しかしモトクロッサーのような専用コースを使うレース以外にも、公道を走行するコースがあるエンデューロレースでは、モトクロッサーに前照灯などの保安部品を取り付けたものが使われる。 公道用として市販されているオフロードバイクは、基本的にトレール車であり、形は良く似ていてもモトクロス競技車両とは別のマシンである。これらは競技車のような激しい走りに対する車体の耐久性を持っていないため、モトクロスコースを全力で走ると各部に致命的な損傷が起きるため十分な注意が必要である。 その一方で、ダカール・ラリーのように公道も不整地も同じように走り抜けるものでは、専用設計のラリー仕様車が使われるが、これが一般の利用に即したかたちでダウングレードされたオートバイ車種としてはデュアルパーパスと呼ばれる、舗装道路の走行を視野に入れたオフロード/オンロード両対応車もある。ただしエンデューロマシンによるレースはあっても、デュアルパーパスタイプをそのまま競技に使うことは稀である。スプリントレース用であるモトクロッサーでは7-8リッター程度の燃料タンクしか持たないところを、ラリー仕様車やデュアルパーパスマシンでは、しばしば10リッターを超える燃料タンクを持つ点も、その構造の違いに挙げられる。 モトクロスレースよりも、更に複雑な地形の走破を目的とした競技には、トライアルが存在する。このトライアル競技では、自然の地形や人工の障害物を設置して、これを規定のコースで足を付かずに走破し、一斉スタートするモトクロスとは違って一台一台が順次コースを巡る点も大きく異なる。この場合はモトクロスレースよりもスピード感には劣るが、より複雑な地形を操車テクニックを駆使して乗り越えるため、よりトリッキーな動作を必要とし、専用の競技車両であるトライアラーは、モトクロッサーよりも更に軽量で簡素な作りとなっており、燃料タンクも極めて小さく3-4リッター程度である。 また、モトクロス競技用の車体であるモトクロッサーに17インチ前後のオンロード向けホイールを装着し、舗装路専用のスリックタイヤなどを履かせて、舗装路(アスファルト)と不整地(ダート)を織り交ぜたコースを走るスーパーモタードが存在する。スーパーモタードはアスファルトをドリフトで走るその過激なライディングスタイルに熱狂的なファンもいる。ただしスリックタイヤでダートを走破するのはタイヤ本来の用法ではないため、格段に高い操作技能を要求される訳だが、これがファン筋にも好まれる。2000年代においては、日本国内はMFJによる全日本格式でMOTO1選手権を頂点に、各地で毎週のようにレースやイベントが開催されている。
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