他の亜科との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/18 22:29 UTC 版)
ハナムグリ類の成虫は、スジコガネ亜科、ビロウドコガネ亜科等の食葉性「コガネムシ」類に比べ、前胸背板後端〜上翅背が平面となる。またハナムグリ亜科では前胸〜中胸が幅広く角張り両側に突出する。ハナムグリ亜科、ヒラタハナムグリ亜科、トラハナムグリ亜科は、左右の前翅は羽化後にそのまま融合してしまい開くことができず、上翅側縁の中央からやや前方がえぐれることによって後翅を羽ばたく際の可動範囲を確保している(後述、飛翔様式を参照)。 色彩は様々であるが、ヒゲブトハナムグリ、コアオハナムグリ等の小型のものからミヤマオオハナムグリ(旧ムラサキオオハナムグリ)のような大型のものまで、顕著な金属光沢を有する種が多い。一方、山地に生息する訪花性の小型種ではビロード状の微毛が鮮やかな斑点や幾何学模様を形成する種が目立つ。中にはクロハナムグリのようにほぼ真っ黒のつや消しという種もある。 カナブンもハナムグリ亜科に属する広義のハナムグリの一種であるが、この名称は金属光沢に富んだコガネムシ科の昆虫の俗称的総称でもある[要出典]。 Protaetia属、Oxycetonia属などの成虫は広葉樹の樹液、果汁、花蜜、花粉を後食するが、後食をおこなわず成虫の寿命が数日〜数週間程度しかない種も多い。また、オオチャイロハナムグリは飼育下では果汁等を吸汁するが、野生下ではおもに何を後食しているのかよく分かっていない。訪花については、他の多くの昆虫と同様、紫外線目標定位によって、白い花弁の細かい花が好まれる。 一般的なコガネムシ類が植物の葉を齧るものが多いのに対して、キク科など[要出典]の植物の花に飛来して花粉や蜜を摂取するものや、樹液、発酵した果実などに集まってこれを吸汁するものが多い。 ハナムグリは昼行性で昼間に活発に飛翔する種類が少なくない。Protaetia属、Cetonia属、Oxycetonia属等は他のほとんどの甲虫のように鞘翅を展開せず、外側を僅かに持ち上げることによって腹部との間に隙間を作ってここから後翅を広げる。これによって多くの甲虫に比べて格段に機敏な飛翔をすることが可能になっている。ただ、アシナガハナムグリ属やヒゲブトハナムグリ亜科等はこのような飛翔様式をとらない。灯火にも飛来することがある。 ハナムグリの自然な飛行パターンと、旋回に使われる筋肉への電気刺激を調査する過程で筋肉が羽の折り畳みだけでなく旋回もコントロールしている事が判明して「筋肉は、飛翔した後に羽を折り畳むために使われる」という、1800年代以降変わらなかった昆虫学の“常識”が覆された。
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