仏足石と歌碑の所在についてとは? わかりやすく解説

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仏足石と歌碑の所在について

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/15 09:23 UTC 版)

仏足跡歌碑」の記事における「仏足石と歌碑の所在について」の解説

1681年延宝9年)に成った宗甫の『和州旧跡幽考』によれば江戸時代初期現在のごとく、仏足石歌碑がともに薬師寺伝存したとある。このように寛永以来の書には、何れもみな薬師寺での所在記録しているが、それ以前所在はっきりしない。 唐より仏足図を将来して右京禅院蔵していたことは、仏足石銘文により明らかである。その禅院には、僧・道昭住し、はじめ飛鳥にあったが、『日本三代実録』には、「711年和銅4年)に平城京移した。」とあることから、平城遷都とともに飛鳥から移した考えられる正倉院文書「写疏所解」には、747年天平19年当時、その仏足図が同院に存在していた記録があり、銘文の内容一致する。そして、その仏足図を原本にして、753年仏足石刻したことまでは銘文により明白である。が、その仏足石をどこに安置したかについては銘文記載がなく、また、歌碑との関係についても全く触れていない。 一方歌碑2番歌は『拾遺集』に収載され、その題詞よれば明らかに山階寺興福寺)に所在し仏足跡であることを指している(#光明皇后説参照)。これにより、森川竹窓が、「歌碑山階寺より薬師寺移した。」と述べているように、仏足石歌碑はともに興福寺にあったとの説が生まれた。しかし、僧・契沖、僧・潮音狩谷棭斎らは、『拾遺集』に山階寺とあるのは誤りで、初めから薬師寺にあったものとして論を立てている。いち早くその『拾遺集』の題詞疑問提起したのは契沖であり、「現に薬師寺存在する上、薬師如来のことを詠んだ歌(15番歌)もあることから、昔から薬師寺にあったのである山階寺にあったというのは伝聞誤り。(趣意)」としている。井上通泰も、「“薬師”を詠んだ歌がある。薬師寺本尊である“薬師”は世に希な名作であり、寺の名はやがてこの仏像より付けられた。ゆえに、仏足石初めから薬師寺にあったのである。(趣意)」と述べている(#15番歌の解釈について参照)。 15番歌の薬師如来説を否定している大井重二郎は、その山階寺について、「光明皇后は、山階寺にあった仏足石、すなわち薬師寺のそれとは別個の仏足石について詠まれたものと信じたい。」と述べ結論としては、「仏足石薬師寺に原在した。これは禅院の仏足図に拠ったものである。あるいは禅院において造顕したものを、禅院衰亡によって奈良朝経て平安朝ごろに禅院特殊な関係にあった薬師寺境内移動したことも考えられる。」と述べている。また、万一仏足石禅院より移動事実があったとすれば同時に歌碑移動したと見るのが妥当と思われる。」としている。 なお、以下の伝説がある。 薬師寺志によると、仏足石は、もと薬師寺の西にある叢中の小池埋もれてあったのを、寛永の末に掘り出して薬師寺移したという。 この仏足石古来から薬師寺にあったものではなく、もと興福寺東大門傍らにあったものを移したという。 この歌碑中古以来薬師寺から持ち去られて、一たび近く橋梁となっていたのを、奈良の墨工・松井元景が見つけて再建したという。(趣意

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