今日のソト族
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/10 08:42 UTC 版)
ソト族の中心地は南アフリカの自由州とそこに隣接するレソトである。両地方共に田舎では貧困と低開発状態が蔓延している。これは一部のソト語話者は安定した仕事と高品質の生活をしているが、多くが経済的苦境の中で暮らしているためである。土地所有者も多くが生活が苦しく、小規模の商業的農業をしている。過剰放牧と土地の管理の失敗が拡大中の問題である。人口移動のためにソト語が亜大陸の広い範囲で話されている。貨幣経済に入る為に、ソト族男性はよく南アフリカの鉱業分野で出稼ぎをしている。自由州やレソトからの出稼ぎ労働者が南アフリカの都市部にソト語を広めている。出稼ぎはソト語話者の家族の人生に悪影響を及ぼすと一般的に知られている。大人(基本的に男性)が何百kmも先の都市で働く為に家族を貧困地域に置いていく為である。アパルトヘイト政策によって政府はソト語話者にバントゥースタンへの移住を強制したがあまり効果は無く、20世紀の間中多くの労働者が黒人伝統地域を離れていた。男性が鉱業で仕事を見つけ易いのに対して、女性は農業や内職に重点を置いた。都市部の魅力は衰えず、レソトやソト族地域生まれの黒人にとって国内移住は現実的選択肢であり続けている。一般的に、ソト語話者の雇用状況は南アフリカ社会全体のそれと似ている。歴史的要因により、ソト族や南アフリカの黒人の失業率は高い。専門を持つ人は教育や健康、薬学、法律、政治分野で働いている。他の人は公務員や民間企業を目指す。宗教面では、キリスト教宣教師がモショエショエが国を守る事を補佐したため、キリスト教はソト族に広く広まっている。今日では、ソト語話者の多くはキリスト教と土着信仰を混ぜた宗教を信仰している。「モディモ」(神)は死せる定めの者は近寄れない最高の存在であり、祖先がモディモと生きている人を結び付ける事で、祖先への誓いや尊敬が育まれる。公的には、レソト人の多数派はカトリックである。
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