今日のサルヴァドール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 13:26 UTC 版)
「サルヴァドール」の記事における「今日のサルヴァドール」の解説
市街はcidade alta(上の町)とcidade baixa(下の町)に分かれている。大聖堂と政府関係の建物が最も高い地点にある。町にはブラジル初の大聖堂、最古の医学校など植民風の建築物が多く残されているとともに、アフリカの影響を受けた文化の存在も有名になってきている。住民の多くはアフリカから渡ってきた人たちの子孫である。ヨルバ・カンドンブレや格闘技カポエイラの中心地であり、350もある教会により、「黒いローマ」と呼ばれるほどでもある。アフリカ文化の影響は、料理や音楽、生活文化を通して地域の外にまで広がっている。 音楽的にはサンバは、サルヴァドールが発祥の地ともいわれる。またブラジルを代表する偉大な作曲家ドリヴァル・カイーミやガル・コスタ、グラミー賞を受賞したジルベルト・ジルといった、MPB(現代ブラジルポピュラー音楽)のミュージシャンや歌手などスターなど、多くの著名なブラジル人の出身地としても知られる。ジルベルト・ジルはのちに市の評議会委員を経て、ブラジルの文化大臣も務めた。 ここ最近(およそ20年間)には、さらにバイーア風のポピュラーな音楽であるアシェ(Axé)が生まれた。ダニエラ・メルクリやイヴェッチ・サンガロはアシェの代表的な歌手である。またカルナヴァルの時期には、地域密着型の音楽集団であるブロコ・アフロ(Bloco Aflo)も数多く結成された。中でもオロドゥンは世界的にも知られる。ブロコ・アフロはオロドゥンに限らず社会的な活動を行う文化団体としての顔も持っているのが特徴である。これらの歌手やミュージシャン、またバンドのCDは日本でも発売され、随時来日公演も行われることから、次第に知られるようになっている。 サルヴァドールの識字率は81%、平均所得はおよそ月447ドル(1990年代後半)である。貧困地域では公衆衛生が問題となっている。約三分の一の住民の家は下水道も浄化槽も整備されておらず、現在バイーア州政府ではBahia Azul, Viver Melhorといったプロジェクトに取り組んでいる。美しいビーチは歴史地区ペロウリーニョとならんで観光地だが、この影響で湾内の水質が悪いため、観光客にはイタポアンなど半島の大西洋側の海岸が勧められている。 サルヴァドール大都市圏のカマサリには、フォード・モーターの自動車工場があり、エコスポーツやフィエスタといった車種の製造を行っている。
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