人事管理と労務管理
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/03 16:00 UTC 版)
人事労務管理は、労働力の効率的な使用のための「人事管理(personnel management)」と労働者と経営者の利害対立の調整のための「労使関係管理(industrial relations)」の2つに大別される。 本項では黒田・関口他『現代の人事労務管理』による区分例 を紹介する。これらの管理機能は個別的に働いているわけではなく、それぞれ相互補完的に働いていることに留意されたい。 人事管理雇用管理 採用、配置、職務分析、人事考課など。良質な労働力の確保や適材適所の配置を目指す。 作業管理 時間研究・動作研究、職務再設計など。 時間管理 労働時間制度(変形労働時間制など)や休業・休暇のシステムの構築など。 賃金管理 職能給、出来高給、年俸制、退職金、各種手当など、賃金制度に関する管理。 安全・衛生管理 労働災害やヒューマンエラーによる事故、従業員のモチベーション低下を防止することを目的として、職場の労働環境の改善や、従業員の健康管理を図る。日本においては、労働安全衛生法にて、事業者に衛生管理の実施を義務付けている。 教育訓練 研修、OJT、ジョブ・ローテーション、資格取得勧奨等の自己啓発推進など。労働力の質を向上させる。 労使関係管理労働組合対策 団体交渉、労働協約など。労使協調体制を目指す。 従業員対策 福利厚生、苦情処理制度など。従業員個々人の不満を取り除く。 戦前の日本においてはホワイトカラーを対象とする「人事管理」とブルーカラーを対象とする「労務管理」は別個に扱われていた。戦後はこのような区別がなくなり、論者によって様々な意味で使用されるようになったが、両者を合わせて「人事労務管理」と呼ぶのが一般的になっている。
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