人事訴訟・家事事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/10 15:07 UTC 版)
家事事件手続法の別表2相当の審判は、同法85条および同法156条によって即時抗告をすることができる審判とされており、同法77条に定める誤記等の更正以外については、同法78条の2および同法90条により、(一見すると)原裁判所(であるところの家庭裁判所)が自ら更正することはできず、同法91条の2に定めるとおり、「事件を第一審裁判所に差し戻すとき」を除いては抗告裁判所が「自ら審判に代わる裁判をしなければならない」。 しかし、これら原審の審判、たとえば離婚・離縁及び民事訴訟を提起することができる家庭に関する事件や、別表第2事件(家事調停が不成立になった場合には、家事審判に移行する事件)が同法284条1項に言う「調停に代わる審判」として行われた場合(調停前置主義に於いては大体の場合はこれに当てはまる)については、その審判に対して同法286条に基づいて家庭裁判所に異議を申し立てることができ、審級を上げずに済む利益を得られる。 ただし、別表第2事件(家事調停が不成立になった場合には、家事審判に移行する事件)が、同法272条4項で(自動的に)審判に移行した場合、その審判は同法73条に規定する「審判」となり、同法284条に規定する「調停に代わる審判」ではないこととなるので、異議の申し立てはできない。 また、人事に関する訴え(=人事訴訟法2条)から離婚及び離縁の訴えを除いた「合意に相当する審判」(家事事件手続法277条)についても、家事事件手続法279条で異議の申立てが認められている。これら家事事件手続法の異議の申立て(279条、286条等)によって、原裁判所でも(いわゆる)「再度の考案による更正」が一部、可能となっている。 手続きのおおまかな流れについては大坪和敏論文を参照。
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