年俸制
【英】:Annual Salary System
日本における年俸制は、その定義が明確に定義されているわけではない。ただし、日本で世間一般に言われている年俸制には、以下の特徴がある。
(1)定期昇給を廃止し、業績への期待等を考慮して一年単位での給与を決定する。
(2)年俸は、毎月支給される月例給与と、短期的なインセンティブの意味合いを持つ賞与で構成される。
(3)管理職に導入し、一般職等には年俸制は導入せず、定期昇給を残す。
日本で年俸制というとプロ野球の世界のイメージが強いが、このためか「評価次第で次年度の給与が下がる可能性のある人事制度」を年俸制と捉えられることがある。この点のみに注目し、「わが社は年俸制を導入した」という企業があるが、(1)を満たさず、基本給と各種手当等で給与を構成しているところも多い。
日本では1985年のプラザ合意直後に、藤沢薬品や東京ガスなどで年俸制が導入され、バブル崩壊後に導入企業が増え現在に至っている。しかし、日本の風土になじまないということで、導入を見送り企業も少なくない。
年俸制
年俸
(年俸制 から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/05 04:46 UTC 版)
年俸(ねんぽう)とは、1年単位で支払われる報酬のこと。または1年間の報酬総額のこと。年給。雇用契約においては労働の給与形態の一種である。明確な定義は存在していない。まれに「年棒」との表記や「ねんぼう」との発音が見られるが、これらは誤りである。
解説
日本では「評価(実力)が給与に繋がる」というイメージや報道から、主にプロ野球選手やJリーグ等プロフェッショナルスポーツの選手が受け取る報酬を指すことが多い。
元々は事業報酬としての支払形態の一種として見られるものであったが、近年、年俸制の一般企業が増えつつある。特にバブル崩壊後に見受けられるようになり、時間外割増賃金は(含まれているので)支払わなくてよいといった解釈が定着しているが、誤りである[1]。労働基準法では時間外労働をした場合には年俸とは別に時間外割増賃金を支給しなければならないことになっている。年俸制の場合も、あらかじめ時間外の割増賃金を年俸に含めて支給することが認められている(例:1ヶ月に30時間の時間外労働を含めて年俸制で支給)。しかしこの場合でも、その予定した時間外労働を超えて時間外労働をした場合については、毎月払いの原則から、その差額をその月の給与に追加して支払わなければならない。このため、取扱いは通常の月給制とたいして変わらず、年俸制を取る理由は感覚的なものである。
年俸制であっても雇用契約による場合、労働基準法が適用され、年一括払いは認められず、月1回以上の支払が要求される。このため契約により、総額を12分割、または賞与込みの14もしくは16分割等にして、月々に支払われる。
脚注
- ^ 裁判例として大阪地判平成14年5月17日労判828号14頁(創栄コンサルタント事件)がある。
関連項目
「年俸制」の例文・使い方・用例・文例
- 年俸制のページへのリンク