事件・事故や社会問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/22 02:16 UTC 版)
雨天の際、マンホールの蓋は滑りやすくなるので、この上に足を乗せると転んだり、オートバイや自動車のタイヤがスリップして事故を起こしたりする事がある。元プロオートバイレーサーで交通心理学者の山口直範によると、オートバイのライダーにとってマンホールの蓋は晴天時であっても「基本的に避けるもの」である。 下水管に配電設備が併設されている場合、マンホールに漏電してこの上を歩いた人間が感電死した事例も存在する。 大雨によって下水道に大量の雨水が流れ込んだ場合、下水道内の圧力が高まりマンホールが吹き飛ぶことがある。最近では圧力を逃がすように改良されたマンホールの蓋が採用されているマンホールもある。 マンホール内部にはガス等(特に窒素、二酸化炭素や硫化水素)が溜まることがあり、そのためマンホール内部での作業のために中に入った作業員が酸欠やガス中毒等の症状に陥り、最悪の場合死亡することもある。こういった事態を回避するため、マンホールに入る際には事前にガス検知器等で内部の状態を確認することが必要だが、必ずしも徹底されているとは言いがたく、現在でも年に数件程度の事故が発生している。 メタンの発生やガソリン、アルコールなどが流入して気化してしまい、設備内の配電設備の漏電等で引火し、爆風で蓋が飛ぶ事故が発生することがある。 なお、韓国ではF-15K戦闘機が機体整備のために陸上を牽引され移動中にマンホールの上を通過したところ、その蓋が落ちて左翼が地面を擦ってしまい破損する事故が発生した事がある。 降雪地域の圧雪路では、マンホールにより道路上で極端な段差が生じ、思わぬ事故を招くことがある。下水管を流れる生活排水の水温は、風呂や食器洗いなどにより摂氏10度を超えることがあり、その暖気で圧雪路にあるマンホールの蓋上部分の雪が解ける。北海道札幌市の例によれば、マンホール直上の圧雪路が溶け、周辺の圧雪路との段差が30-40センチメートルの窪みになることもあり、自動車のハンドルが取られる、歩行者が転倒するきっかけとなる。 モンゴルなど社会福祉が不十分な国では、保護者を失ったり家出したりした子供が、雨露をしのげる地下坑に住み着き「マンホールチルドレン」と呼ばれることがある。
※この「事件・事故や社会問題」の解説は、「マンホール」の解説の一部です。
「事件・事故や社会問題」を含む「マンホール」の記事については、「マンホール」の概要を参照ください。
- 事件・事故や社会問題のページへのリンク