予言の信憑性・批評
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 14:59 UTC 版)
「アガスティアの葉」の記事における「予言の信憑性・批評」の解説
宗教学者の島田裕巳は、アガスティアの葉を使って占いをする場所を訪問したが、「このアガスティアの葉にも仕掛けがあり、古い経典を用いて、そこに記された文字に子音がないことを利用し、客から聞いたことをそこに当てはめ、それで占いを行っているように見えた。」と、そこで見たことを説明している。アガスティアの葉を保管すると称する館は複数あり、依頼者に様々な質問をしたり、待合室での会話を盗み聞きすることで情報を得るという占いの常套手段が用いられていると言われている。 青山圭秀は、指紋をあらかじめ葉を保存をしている館に提出して、再度、予約をして葉を探しに行く必要があると記述している。深野一幸は、館によっては予約をする際に個人情報を伝える必要があり、そのような館では信憑性が疑われると述べている。予約をせずに行くと、自分の葉がないこともあるという。The Times of India の記事で、ナディは複数のナディ占星術の館が分散して保管しているため、訪れた館に自分の予言の葉がある可能性は低く、10%程度、インド中の本物のナディ占星術の館のほとんど全てを対象にするなら、70-80%程度見つかる可能性があると説明している。 ナディ占星術は近年人気が高まっているが、よく知られていないため、嘘の知識や偽の専門家が横行している。 Lois Laneは、ナディ占星術が本当に詳細な未来を教える予言なのか、占星術の出生図を用いた洞察に基づく推定なのかを検証するために、パンディット(バラモン学者)による生年月日・出生地の情報から出生図を作成して行う占星術の結果と、ナディ占星術の結果を比較したところ、ほぼ内容は一致していたという。ナディ占星術の結果は、パンディットによるものに比べ、出来事が起こる時期を予言するところが異なっており、より本物らしく見えるが、Laneはこの違いについて、ナディ・リーダーは葉を見つけるプロセスでの問答を通して、依頼者の詳細な情報を得ており、時期の予測がしやすいことに注意を促し、ナディ占星術は実質、一般的なインドの出生占星術と同じであるという見解を示した。 島田裕巳は、アガスティアの葉の占いで、これからの人生は順調だと言われ、取材の同行者の女優の高橋ひとみは、近いうちに結婚すると言われたが、どちらも当たらなかったという。パンタ笛吹は、アガスティアの葉に関する否定的な体験を綴った本を出版している。 日本での「アガスティアの葉」ブームでは詐欺行為も行われたと言われ、青山圭秀は2009年に再版した『アガスティアの葉[完全版]―未来のゆくえ、それは運命か、それとも自由意志か』で、その経緯と関係者に言及している。 Lois Laneは、ナディ・リーダーに、予言が示した問題を解決するためとして複雑な宗教的な解決策を提案されたが、それは高額なものだったと語っており、すべてのセッションは、救済策を講じないと問題が悪化するという警告で終了するため、彼らは宗教的イデオロギーを依頼者に恐怖心を生じさせる手段として利用しており、高額な救済策の提案は、明らかに生活のための金銭目的の行為であると批判した。
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