予言の成就説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/31 07:57 UTC 版)
検察側は、地下鉄サリン事件が警察による教団に対する大規模な強制捜査を攪乱する目的であったと主張した。裁判所は検察側の主張通り、「間近に迫った教団に対する強制捜査もなくなるだろうと考え」た、との認定をした。 しかし井上嘉浩は、麻原の動機は捜査攪乱ではなく、自分の予言の成就のためだったと主張した。井上は、2014年2月4日の平田信公判において「サリンをまいても、強制捜査は避けられないという結論で、議論が終わっていた。しかし松本死刑囚は、『一か八かやってみろ』と命じた。自分の予言を実現させるためだったと思う」、2015年2月20日の高橋克也の公判においても「『宗教戦争が起こる』とする麻原の予言を成就させるために、事件を起こしたと思った」と証言している。なお、リムジンに同乗していた側近も含めて多くの幹部信者たちが、「サリンを撒いたところで強制捜査がなくなるわけではないし、むしろ早まる可能性があると考えていた」と証言している。 井上は証言がよく揺れており、この証言について、井上が平田公判で初めて証言したとの批判があるが、実際は1996年11月8日の麻原公判で証言していると本人は主張している。 また別の意見として、土谷正実は麻原信仰を続けていたころ法廷で「サリンの散布で国家転覆はできない」「大量殺人が目的とすれば、私なら(サリンと比べて合成がはるかに簡単な)青酸を使う」と語った。
※この「予言の成就説」の解説は、「地下鉄サリン事件」の解説の一部です。
「予言の成就説」を含む「地下鉄サリン事件」の記事については、「地下鉄サリン事件」の概要を参照ください。
- 予言の成就説のページへのリンク