主なフェル式鉄道の一覧
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「フェル式鉄道」の記事における「主なフェル式鉄道の一覧」の解説
イギリススネーフェル登山鉄道 (en:Snaefell Mountain Railway)1895年開通。唯一現存するフェル式鉄道。マン島にある。最大勾配83‰、軌間3フィート6インチ。 当初は蒸気機関車を使用し中央レールを駆動用に使用する計画だったが、途中で電車使用に変更されて登る際は通常レールのみで登れるため、中央レールは降りる際の制動・並びに脱線防止用として使われることになった(このため、中央レールを挟む車輪には脱線防止対策としてフランジが取り付けられている。)が、さらに現在は発電ブレーキを使用するようになって制動目的でも使われなくなり、カーブや強風時の安全用にしか作用していない。 フランスモン・スニ鉄道1868年開通。実用化されたフェル式鉄道としては世界初。最大勾配90‰、軌間1100㎜。 元々アルプス山中を抜けるモン・スニ峠のトンネル(フレジュス鉄道トンネル、ここに通常の鉄道が走らせる計画)開通までのつなぎ路線で、採掘技術進歩で計画(1857年から25年後に開通予定)より早く1871年にトンネルが開通したため、わずか3年4か月で廃止となった(設備はその後ブラジルのカンタガロ鉄道に流用された)。 ニュージーランドリムタカ・インクライン (en:Rimutaka Incline)ワイララパ線 (en:Wairarapa Line) サミット駅 - クロスクリーク駅間。1878年開通。最大勾配77‰、最小半径100m、軌間3フィート6インチ。 ここは一応ニュージーランド北島の幹線(東側からリムタカ山地を越えてウェリントンに行くルート)であり、専用の蒸気機関車(ニュージーランド国鉄H級)が開業時に4輌、1886年に2輌が増備されて、計6輌を使用していたが、次第に輸送力が限界に達したためトンネル(ベーストンネル)で別ルートを通る計画が立てられ、開通までは他の粘着式機関車を補助に使用しながら、1955年にトンネルが開通すると77年間使われた路線は廃線となった。なお、この路線には競合路線として西海岸回りの私鉄のウェリントン・マナワツ鉄道(WMR)があり、1908年に国有化された後は輸送を振り分けて負荷を減らしていたが、鉄道輸送が減った現在では旧WMRが本線となっており、開通した新しいトンネルの路線も打ち切られている。
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