上諏訪温泉とは? わかりやすく解説

かみすわ‐おんせん〔かみすはヲンセン〕【上諏訪温泉】

読み方:かみすわおんせん

長野県諏訪市温泉諏訪湖東岸にあり、泉質単純温泉硫黄泉


上諏訪温泉

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/30 13:14 UTC 版)

上諏訪温泉
諏訪湖・湖畔の温泉街俯瞰
上諏訪温泉
中部地方における位置
温泉情報
所在地 長野県諏訪市
座標 北緯36度02分32秒 東経138度06分20秒 / 北緯36.04236度 東経138.10569度 / 36.04236; 138.10569座標: 北緯36度02分32秒 東経138度06分20秒 / 北緯36.04236度 東経138.10569度 / 36.04236; 138.10569
交通 鉄道:中央本線上諏訪駅下車
自動車:中央自動車道諏訪IC
泉質 単純温泉硫黄泉
泉温(摂氏 65 °C
外部リンク 諏訪観光協会(諏訪市)
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上諏訪温泉(かみすわおんせん)は長野県諏訪市(旧国信濃国)に湧出する温泉

歴史

三の丸湯跡
諏訪市温泉統合記念の石碑

古くから諏訪大社門前町としても栄えた。温泉の源泉を守るために、温泉寺が建てられ、薬師如来が祀られた。江戸時代諏訪藩(高島藩)の城下町甲州街道宿場町上諏訪宿としても栄えた。

江戸時代初期から温泉地として知られ、当時14軒ほどの旅籠があったが内湯はなく、旅人も住人も上諏訪内の4つの共同温泉(小和田平湯、精進の湯、湯之脇、虫湯)を利用していた[1]。1664年に描かれた「御枕屏風」には、庶民のための平湯のほか、塀に囲まれ、門や庭を持つ武家用の湯屋敷も散見される[1]。1817年の温泉番付で上諏訪は「東の小結」に選ばれている[1]

明治に入り、1873年に地租改正条例が施行されると、共同温泉地は全て官有地に区分されたが、一部では払い下げが認められ住民による共同湯運営が続けられた[1]。高島藩の城下町から製糸の町として栄えた上諏訪には内湯のある旅籠も多数でき、1905年に中央本線が開通すると温泉旅館や飲食店が増えて観光地化し、1928年には昭和の御大典記念事業として大型温泉施設の片倉館が創業、1937年には旅館数は57軒を数えた[2][3]。1960年頃の調査では、源泉数は500を超えていた[4]。自噴泉は1958年になくなり、すべての温泉が動力揚湯である[5]

泉質

  • 単純温泉
  • 単純硫黄泉
    • 無色透明の源泉
    • 源泉温度65℃(七ツ釜温泉は80℃)

効能

  • 外傷性諸障害、慢性湿疹、成人病、婦人病、腰痛、神経痛

注:効能は万人にその効果を保証するものではない

温泉街

諏訪湖東岸にあり、日本最古の温泉複合保養施設である片倉館(国の重要文化財、1928年築)の千人風呂が有名。諏訪湖畔には遊歩道が設けられており、沿道には大型ホテルや無料で利用できる足湯美術館がある。日帰り入浴施設は温泉街の外れにあるすわっこランドの一か所だが、ホテルの一部は温泉施設を宿泊客以外にも開放している [6]。また、JR上諏訪駅構内には1986年(昭和61年)に温泉が設置され、2001年(平成13年)には足湯に改装された。ホームに入れる切符(入場券)で利用できる。

1983年(昭和58年)に間欠泉が噴出[7]1990年(平成2年)に諏訪市は諏訪湖間欠泉センターを設置[7]1993年(平成5年)に自噴しなくなりコンプレッサーで噴出させていた[7]。その後、2021年(令和3年)に機械が故障したため仮設の機械で再開したが、2022年(令和4年)3月に再び停止[7]。2022年3月時点で、市は往時の勢いは失われたが自噴している状態と説明していた[8]。2022年12月、諏訪市は諏訪湖間欠泉センターの指定管理や民間活用、改修、廃止などを検討する方針を示した[7]

諏訪藩主が高島城三の丸に作らせた温泉は、大正より共同浴場として利用され、利用者増加に伴い高島公園脇に移った。2010年、跡地に記念碑とつくばいが設置され、少量の温泉を流し湯煙を立たせている[9]

温泉施設

その豊富な湧出量から、諏訪市内の一般家庭でも温泉を引くことが可能である[10]。また入浴温泉施設のある小学校諏訪市立城南小学校)や百貨店、さらにサービスエリア中央自動車道諏訪湖サービスエリアの「ハイウェイ温泉諏訪湖」)がある。2001年(平成13年)4月 には諏訪湖畔に足湯施設が設置された。

周辺

アクセス

鉄道
2010年代においても宿泊客の14%-16%は中央本線の電車を利用して訪れる[11]
高速道路

脚注

  1. ^ a b c d 上諏訪小和田の空間構造 : 湯と舟止から読む近世・近代の変遷宮田駿介 法政大学大学院紀要. デザイン工学研究科編 2012-03
  2. ^ 上諏訪温泉『上諏訪』(上諏訪町, 1937)
  3. ^ 近代の上諏訪における温泉・スポーツ複合型観光地の形成と湖畔利用佐藤 大祐、立教大学観光学部紀要 第15号 2013
  4. ^ 諏訪地方の温泉の科学的研究日本温泉科学会、温泉科学11巻1号、1960年2月
  5. ^ 上諏訪、七ツ釜間欠泉日本温泉科学会、温泉科学36巻、1986年
  6. ^ 諏訪市観光ガイド・上諏訪温泉
  7. ^ a b c d e 【続報】諏訪湖の間欠泉、修理しても噴出しない可能性 諏訪市、センターの民間活用や廃止も視野にあり方検討へ”. 信濃毎日新聞. 2022年12月6日閲覧。
  8. ^ 諏訪湖間欠泉センター”. 諏訪市 (2022年3月18日). 2022年9月23日閲覧。
  9. ^ “つくばい完成、湯煙復活 高島藩ゆかり「三の丸温泉」”. 信濃毎日新聞 (信濃毎日新聞社). (2010年1月16日). https://www8.shinmai.co.jp/onsen/article.php?id=ONSE20100116011392 2022年9月23日閲覧。 
  10. ^ 温泉の新設・廃止・名義変更などの手続き”. 諏訪市水道部営業課 (2017年11月18日). 2010年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月23日閲覧。
  11. ^ 来春あずさダイヤ改正 観光、経済に影響懸念”. 長野日報 (2018年12月18日). 2019年1月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年12月23日閲覧。

関連項目

外部リンク




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