三界の思想とは? わかりやすく解説

三界の思想

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/25 10:22 UTC 版)

ボロブドゥール遺跡」の記事における「三界の思想」の解説

ボロブドゥール構造は、仏教三界あらわしているとされる。つまり、下から、基壇人間のいる欲界、その上は神と人間触れあう世界である色界、さらに、その上部が神のいる無色界である。 欲界 (kāmadhātu) - 淫欲食欲2つ欲望とらわれた有情の住む処。六欲天から人間界含み無間地獄までの世界色界 (rūpadhātu) - 欲界2つ欲望超越したが、物質的条件(色)にとらわれた有情が住む世界無色界 (ārūpyadhātu) - 欲望物質的条件超越し、ただ精神作用にのみ住む世界であり、「禅定」に住している世界ボロブドゥールでは、基壇欲界方形壇は色界、円壇は無色界として表現されており、人は下から上へ登っていくにつれ、欲望にあふれ罪悪満ちた世界から、禅定達した世界へ移っていくものとされる。すなわち、悟りをめざす菩薩修行表現しているとみなすことができる。 基壇においては、『分別善悪応報経』が160面のレリーフ彫られており、衆生日常生活描写しながら因果応報教え説かれている。 方形壇の回廊レリーフは、歴史上の出来事中心となっている。釈迦ガウタマ・シッダールタ)の前世物語であるジャータカなどを絵巻物風に示し前世善財童子巡礼の旅をする仏教経典華厳経入法界品』などが描かれており、とくに釈迦生誕から最初説法にいたるまでの経緯については史実とともに数々伝説まじえて詳細に表現されている。その構図多様性人物表現の巧みさはボロブドゥールならではののである方形最上層の72面には普賢菩薩大慈悲心を讃歎する様子具象化されている。 また、円形壇にはレリーフはなく、幾何学的な建築意匠によって抽象的な悟り境地示されており、全体でいわば石上図解された経典とも呼びうるものとなっている。

※この「三界の思想」の解説は、「ボロブドゥール遺跡」の解説の一部です。
「三界の思想」を含む「ボロブドゥール遺跡」の記事については、「ボロブドゥール遺跡」の概要を参照ください。

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