ワキ50000形
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「国鉄ワキ10000形貨車」の記事における「ワキ50000形」の解説
ワキ50000形は、コキ50000形との併結運用を可能としたワキ10000形からの改造車で、1977年(昭和52年)から1980年(昭和55年)にかけて25両(ワキ59000 - ワキ59024) が改造された。 1978年(昭和53年)10月のダイヤ改正で東京 - 九州間の特急貨物列車が減少し、かつ、コキ10000系使用列車の相当数がコキ50000系に置き換えられたことから、コキ50000系の列車と併結する必要が生じたための対応である。以後の新製を想定したため車両番号は 59000 番台を付番したが、新製はなされていない。 改造はブレーキ装置の変更が主で、種車の CLE 方式から電磁弁を撤去した CL 方式(応荷重装置付自動空気ブレーキ)とし、「A 急ブレーキ弁」を追設してブレーキ伝達速度を維持している。連結器周囲の空気管・元空気溜管 (MR)・車端部の締切コック開閉装置は撤去された。台車は TR203 形のままであったが、空気ばねの自動高さ調整弁絞りを小径化して空気消費を抑制した。これは空気ばねの空気供給源を MR から通常のブレーキ管 (BP) に変更したためで、本形式は一列車での連結両数制限対象車とされた。外部塗色は側扉を除く車体各部を とび色2号 に変更している。 1977年(昭和52年)改造の4両(ワキ59000 - ワキ59003)は先行改造車で、A 急ブレーキ弁追設のみを施工し10000系貨車とも引き続き併結可能な仕様とされた。翌年から本格改造が施工(ワキ59004 - )され、先行改造車も同一仕様への追加改造がなされた。改造種車は丸屋根の前期形に集中し、後期形の改造車は6両(ワキ59007 - ワキ59010, ワキ59020, ワキ59022)のみである。1983年(昭和58年)からはコキフ50000形との台車交換を行い、同形式から発生した TR223B 形を装備している。 落成後は東京 - 北九州間などでパレット輸送に用いられ、1987年(昭和62年)のJR移行では25両全車が日本貨物鉄道(JR貨物)に承継された。梅田駅・東小倉駅に常備され、後年には小型コンテナの輸送用として継続使用されたが、1995年(平成7年)までに全車が除籍されている。
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