ロンドン協定とは? わかりやすく解説

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ロンドン協定(1983年)

読み方ろんどんきょうてい1983ねん)
【英】: opec london agreement 1983

1983 年 3 月 14 日ロンドン開かれた OPEC 総会において、OPEC成立以来初めての原油価格大幅値下げ断行したが、その際足並み乱れていた OPECカルテル体制建て直すための生産割当て合意した。このときの総会における取決め指して特にロンドン協定と呼ぶことがある
その内容は、第 1 にOPEC基準原油アラビアン・ライトの公式価格を 1 バーレルあたり 5 ドル値下げしてこれまでの 34 ドルから新たに 29 ドルとすること。第 2 に、生産割当てOPEC 全体で 17.5 百万 b/d とし、国別には次のように配分した。(以下千 b/d 単位イラン 2,400イラク 1,200UAE 1,100クウェート 1,050カタール 300アルジェリア 725ナイジェリア 1,300リビア 1,100インドネシア 1,300ベネズエラ 1,680エクアドル 200ガボン 150サウジアラビア目安 5,000後記)。第 3 に、サウジアラビア対し需給調整役」という役割与えた
これによりサウジアラビアは、他の国々異なり特に生産割当て設けず国際原油市場需給関係照らして OPEC供給量を調整するために、国の生産量任意に増減することになった。ただし、OPEC 全体の 17.5 百万 b/d から他の国割当て合計差し引いた 5 百万 b/d が、サウジアラビア生産量目安として計算できる。第 4 に、OPEC 各国生産・価格付け実態監視するための組織として 1982 年 3 月臨時総会発足した市場監視委員会」の機能強化する1983 年 3 月OPEC による公式価格値下げ市場価格追随したものであり、1982 年中市場に存在した大きな値下げ圧力結果である。それまで1 年間程度スポット価格低迷、非 OPEC 産油国割安な公式価格の設定OPEC一部の国の割安な公式価格の設定さらには OPEC のなかでの値引き横行などの混乱続いた1983 年 3 月OPEC値下げ結果、これらの混乱がかなり是正された。また、生産割当て自体1982 年 3 月から既に実施されており、全体については今回1983 年)と同じ 17.5 百万 b/d であったが、今回国別割当ては、 1982 年 3 月失敗考慮入れて改定されたものである
また、サウジアラビア需給調整役割引き受けOPECリーダーとして積極的な姿勢明確にしたのも OPEC安定にとって大きな前進であった。ロンドン協定は OPEC結束取り戻しその結果 1984 年春までの約 1 年間石油市場安定的に推移したが、その後石油製品需給不均衡石油取引不安定化など構造的な問題変わらず1985 年 1 月総会でさらに 1 ドルバーレル値下げ生産の一層の引下げ追いこまれた。




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