ロシア・ボイコットに対する提言
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/15 09:33 UTC 版)
「パーヴォ・ヤルヴィ」の記事における「ロシア・ボイコットに対する提言」の解説
2022年2月24日、ヤルヴィはモスクワに滞在し、ロシア国立青年交響楽団とのリハーサル中だった。ロシアのウクライナ侵攻に反対するため、同月26日のコンサートを中止すべきと友人らは促したが、ヤルヴィは予定通りに指揮をして、翌日にモスクワを発った。このことにより、音楽界の一部から非難を浴びたが、ヤルヴィはそれに対して公式サイトで声明を出し、ロシア政府とプーチン大統領の野蛮な行動を断固として非難する一方、この行動に対して若い演奏家たちが罰せられるべきではなく、音楽家は全て兄弟姉妹であると訴えた。 ヤルヴィはこの行動と自らの声明について、マスコミの取材に応じ、説明を行い、同年3月14日に記事になった。 それによると、海外に住む年配のエストニア人の多くがソビエトに対する深い恐怖のため、未だに帰国や往来を恐れているという。ヤルヴィは戦争中であればロシアを訪れていなかったが、これからロシアの音楽家は長期間にわたって孤立することが分かっており、若い演奏家たちに何か意味のあることを体験して欲しかったと話している。戦争の後も一般国民の苦しみ・傷・憎しみ・悲惨さは何世代にもわたって続くためロシアに戻るのは難しいと考えており、戦争が続いている限りロシア国外の芸術家はロシアと交流してはならないとも述べている。これから新しい鉄のカーテンがロシアの芸術家に壊滅的な影響を与え、最悪のシナリオでは古いソビエトモデルが再構築され、彼らは西洋から隔離されるとヤルヴィは見ている。 多くの劇場やプロモーターがロシア人音楽家にプーチン大統領への非難を求めていることについては、過去に公にプーチン大統領と関わりを持った音楽家に明確な立場を要求するのは理にかなっているとしながらも「それはソビエトがすること」であるとしている。ロシア国外に住んでいる多くのロシア人音楽家は、ヤルヴィの感覚では大多数が戦争に反対している。しかし、もし独裁者であるプーチン大統領を非難すれば、ロシアに住む家族・親族に対して最大限の圧力と残酷さで対処される恐れがあるという。
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