ヨーロッパなどのアイスコーヒー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/14 18:16 UTC 版)
「アイスコーヒー」の記事における「ヨーロッパなどのアイスコーヒー」の解説
英語での表記は「Iced Coffee」である。文字通り、氷をいれたグラスにホットコーヒーを注ぎ入れたものが、日本のアイスコーヒーに相当する。英語圏の一部ではアイスコーヒーというとコーヒー味のアイスクリームが出てきたりすることがあるので、注意が必要である。 しかし現在のマサグランという飲み物は、南フランスでは炭酸水で割ったアイスコーヒーを指し、ノルマンディーではリキュールの代わりにカルヴァドスを混ぜたものを指すが、マサグランはあまり好まれなかったようで、フランス、特にパリのカフェでは普及しなかった。 マサグラン以外に変わったアイスコーヒーの飲み方だと、スペインのバレンシアやポルトガルの一部の地方では、氷にエスプレッソを注いでシロップを入れ、分厚いレモンの輪切りを入れて飲む方法があるが、これはスペインやポルトガルでも他地域では一般的ではない。 むしろスペインではカフェ・コン・イエロと呼ばれるアイスコーヒーが一般的で、これを注文するとカップに入れたエスプレッソと氷(イエロ)を入れたグラスが出てくるので、砂糖をエスプレッソに入れてよく溶かした後に、そのコーヒーを氷入りグラスに客が自ら注いでアイスコーヒーを作るのだが、ミルクは付いていないのでそれが欲しい場合は追加で注文することになる。 ドイツ・オーストリア・イタリア・オーストラリア・チリ・北欧などでは、コーヒー(またはアイスコーヒー)にアイスクリームだけ、またはアイスクリームとホイップクリームも入れたコーヒーフロートのような飲み物があり、夏場のカフェやコーヒーチェーンのメニューに加わっている。ちなみに、ドイツ語で「冷たいコーヒー」を表す「カルター・カフェ」は、アイスコーヒーとは全く別の炭酸飲料「シュペツィ」を指す場合もあり、注意が必要である。 なお、南ヨーロッパにはアイスクリームを入れないアイスコーヒーもあり、たとえばギリシャではインスタントコーヒーの粉と砂糖を入れた器に水を少量入れ、シェイカーや泡立て器で泡立てた後で、氷と水か牛乳を入れて作るカフェ・フラッペ(フラッペ)という飲み物が大変人気がある。ネスレ社はアイスコーヒーの普及に熱心な会社で、ドイツやイギリスのスーパーマーケット向けに、缶入りのアイスカプチーノを販売している。 1950年代のイタリアが舞台になった映画『ローマの休日』に、アメリカ人記者がオープンカフェでアイスコーヒーを飲むシーンが登場した。映画中では「cold coffee」と表現されている。イタリアのアイスコーヒーはエスプレッソを冷蔵庫に入れて冷たくしたカフェ・フレッド(氷を入れない冷やしたエスプレッソ)や、熱いエスプレッソと砂糖と氷をシェイカーに数個入れてシェイクし泡立てた後に、グラスに注いで提供するカフェ・シェケラートの二種類があるが、夏場のイタリアのバールやカフェのメニューに必ず置いてある物では無い。なおどちらもエスプレッソを味わう為の飲み物なので、イタリア人はミルクは入れないでそのまま飲む。
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