ユーゴスラビア及びソビエト連邦の崩壊について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/17 04:40 UTC 版)
「ミロヴァン・ジラス」の記事における「ユーゴスラビア及びソビエト連邦の崩壊について」の解説
ジラスは1980年代及び1990年代に、ユーゴスラビア崩壊や民族主義者による争いへと急突入することに反対していたが、しかし崩壊が起こることについて1980年代に予測している。1981年に彼はユーゴスラビアがティトー死去を原因として民族や官僚的ナショナリストの方向に至り崩壊すると予測した: 「我々の体制はティトーのみが舵を取るために築かれた。ティトーは今や死去して我々の経済的状況は深刻、それは大きい中央集権の自然的傾向である。共和国の民族的政治的権力の基本に対して衝突するこの集中化は成功しない。古典的ナショナリズムではないが、非常に危険な官僚的ナショナリズムで経済的利己主義に基づいて構築している。このようにユーゴスラビア体制は崩壊を始めるだろう。」 彼は1980年代後半にミロシェヴィッチを厳しく批判、そしてセルビアの大統領スロボダン・ミロシェヴィッチの行為がその他の共和国の離脱を招き、民族紛争、ユーゴスラビア崩壊が起こると予測した: 「ミロシェヴィッチの可能性はある.... お分かりのように自由化に悪因がある。それはセルビアや他の共和国との間における民族競争の帰結である。最終的にユーゴスラビアは貿易国の緩い連合の英連邦のようになる。だがまず、私は恐らく、民族紛争や内乱があるだろう。ここにそのような強い憎しみが存在している。」 「セルビアのミロシェヴィッチの権威主義によって本格的な分裂を引き起こす。ヘーゲルが言った歴史とは悲劇やばかげたことを繰り返すということを思い起こす。私が言うことの意味とはユーゴスラビアがこの頃に崩壊する、1914年のように取り巻く世界が介入しないこと.... ユーゴスラビアは全共産主義の実験室であった。その崩壊はソ連崩壊をも予測できる。我々はソ連よりも先を行っている。」 1987年、ジラスはネオコンサバティズム雑誌『エンカウンター』(Encounter)でソビエト連邦の指導者ミハイル・ゴルバチョフの政治経済改革をテーマにインタビューを受けた。 ジラスはゴルバチョフの行動をこう説明した:「絶対に必要だ。ユーゴスラビア、ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア、中国の共産主義者はかなり早い時期に、共産主義が機能しないことにすなわち気づいていた。経済的水準においても、やりがいがあり人間に不可欠な基本的ニーズや自由な水準はどちらもうまく機能せず... 共産主義は悲惨な出来事をもたらした19世紀の遺物及び処方箋であった。」
※この「ユーゴスラビア及びソビエト連邦の崩壊について」の解説は、「ミロヴァン・ジラス」の解説の一部です。
「ユーゴスラビア及びソビエト連邦の崩壊について」を含む「ミロヴァン・ジラス」の記事については、「ミロヴァン・ジラス」の概要を参照ください。
- ユーゴスラビア及びソビエト連邦の崩壊についてのページへのリンク