ヤンマー撤退とその後
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 05:55 UTC 版)
「日本のコンテナ輸送」の記事における「ヤンマー撤退とその後」の解説
分散式で長年多くの輸送実績や荷主ニーズに対応して、各種形式をリースおよびレンタルにて大量に供給し続けてきたヤンマー株式会社が、2000年代に入っても長引く不況と需要減退により、2010年初頭より一部の長期リース契約中を除き、レンタルおよび分散式コンテナ販売より撤退した。この影響で、それまで大量に保有していたレンタル用の新形式UF16A形コンテナが、初期登録グループで既に耐用年数を過ぎたり、事故等で廃棄となった一部を除き大量に余剰となるも、これらはほとんどが登録から幾年も経過していないために、他社に売却する事となった。 売却に際し、岡山県水島港玉島地区にて大規模な補修作業を行う事となった。2010年2月 - 3月にかけて、水島港玉島地区内の玉島ハーバーアイランド埠頭にて数十個ずつ集積し、点検整備・修理作業という流れで、これを数回に分けて行われた。これらの一連の整備完了後に丸和通運を筆頭に、日本通運・高知通運・札幌通運・北海道通運・丸運・エキスプレスコーポレーションなどの企業カラーに大掛かりにラッピングシートで塗り替えまたは、簡素な社名のみの変更マーキング作業を経て売却された。なお、これらの余剰となった大量のUF16A形コンテナを全国から回送収集および、補修作業完了後の発送は、最寄駅となる水島臨海鉄道の東水島駅が担当し、十数 km程離れていた整備拠点のコンテナヤードまでは、陸路でトラックによりピストン輸送した。 しかし、当時の不況や輸送需要激減の厳しい環境下ながらも、このように大規模な補修を受けて、新たなオーナー企業の元へと巣立って行ったが、心臓部の冷凍機器類はヤンマー製には変わりなく、僅か50 cm(センチメートル)程の奥行きしかない厳しいスペースに詰め込まれているこれらの冷凍機器類は、日を追うごとに老朽化し、さらなる細かい整備メンテナンスが必要不可欠となっている。これに対してヤンマーは売却後、5年間に限り維持管理に必要となる情報やアフターサービス(点検・修理・部品供給)を行っていたが、2015年3月31日付けで終了し、これをもって完全撤退を完了する事となった。 ウィキメディア・コモンズには、ヤンマーのコンテナに関するメディアがあります。
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