モスクワ工場跡地の再開発と施設保存
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/25 04:05 UTC 版)
「ボルシェビーク (製菓)」の記事における「モスクワ工場跡地の再開発と施設保存」の解説
2012年の本社および工場の売却で、広さ5.4ヘクタールの用地は実業家ボリス・ミンツ傘下の「O1プロパティーズ」社ら2企業が取得した。工場施設があった敷地内部は中低層の高級集合住宅やオフィスビルとする一方、レニングラード通りに面した旧ボルシェビーク本社など3棟については、レンガ造りの構造を生かしつつ近代的な設備を持った特徴あるオフィスビルとして改築し、外観を19世紀の建設当初の姿に修復する再開発事業「ボルシェビーク文化ビジネス複合施設」(Культурно-деловой комплекс „Большевик“)プロジェクトを進め、2017年に竣工した。 本社棟の修復作業はロンドンの建築設計会社が手がけ、老朽化した壁面のレンガの修理や交換を行うとともに、国有化以後に改築などで失われた部分を建設当初の姿にもどす工事が行われた。一方、建物間の中庭には新たにガラス張りの上屋をかけてレストランに転用したり、敷地内にあったレーニン像など国営工場時代に加えられた遺構の撤去移転が行われたりした。2016年5月には、原料の小麦粉を貯蔵していたレンガ製の円形倉庫を活用し、ミンツが収集してきた絵画コレクションを展示するロシア印象派美術館(Музей русского импрессионизма)が開設された。 竣工時のテナント契約率はモスクワ市内のオフィスビルの平均を上回る70%で、一般的なオフィスビルとは性格が異なる施設であることから、計画時にはデザイナーやメディア業界、新興企業、IT関連企業など、クリエイティブ関連産業やその経営者の入居を想定していたが、実際には国際的な大企業や国内の大手国有企業からも強い関心が示されたという。
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