失われた部分
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/10 00:18 UTC 版)
現存する「関東幕注文」は23枚の紙から構成されているが、本来あったはずの一部分が欠落している。 文書は、はじめに上野国の諸将が列記されていて、1枚目から「白井衆」「惣社衆」「箕輪衆」「厩橋衆」「沼田衆」と続き、4枚目は「岩下衆」「斉藤越前守」「山田」で終わっている。この「岩下衆」は上野国北西部の吾妻郡岩下城に拠った斎藤氏である。 5枚目は「横瀬雅楽助」から始まり、「(新田殿御一家)西谷五郎殿」「(同)三原田弥三郎殿」と続く。この「横瀬雅楽助」は上野国東部の新田郡の横瀬成繁である。 新田郡の諸将の前には当然に「新田衆」の見出しが置かれるはずであり、したがって4枚目と5枚目の間には欠落があると断定されている。欠落が何枚分であるかはわからない。1枚であるとすると、22名前後の人名が記されていたはずで、そこには「岩下衆」の残りの者の名と、「新田衆」の見出しが在ったはずである。 さらに、現存する「関東幕注文」上野国の部の中には、上杉氏に従属していたはずの邑楽郡の赤井氏や富岡氏の名もみられない。おそらく赤井氏は「館林衆」として、富岡氏は「小泉衆」か館林衆の一部として、欠紙部分に記載されていたと思われる。 したがって欠落部は、1枚か、それ以上の枚数があったと推定されている。このため、判明している255名のほかに、少なくとも20名以上の将が記録されていたと考えられている。
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