メインストリームでの人気
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 01:49 UTC 版)
「フルーク (バンド)」の記事における「メインストリームでの人気」の解説
20年間にわたって音楽を発表し続けてきたものの、多くのリスナーにとってフルークは比較的無名の存在であり、個々のメンバーに至ってはさらに知名度が低い。ジョン・ファグラーは「インデペンデント」紙とのインタビューの中で、バンドの隠遁主義は「永らく忘れ去られてきた共同体への回帰というよりは、利己的な快楽主義」であったと述べている。バンド成功の理由の中でも特に大きい部分を占めているのが、映画やゲームのサウンドトラックなどに収録されたことによる宣伝効果である。 2003年の大ヒット映画『マトリックス リローデッド』では、フルークの楽曲「Slap It」が使用された。この楽曲は映画のストーリーとの親和性のためサウンドトラックでは「ザイオン」にリネームされている。 フルークの1997年のヒット作「Absurd」は『追撃者』の予告編で使用されたほか、2005年の映画『シン・シティ』のストリップ・クラブのシーン、"ホワイトウォッシュ・エディット" が『トゥームレイダー』のサウンドトラックに収録され、『トゥームレイダー』のスポンサーであったエリクソンとのタイアップでエリクソンの広告でも使用された。コンピュータゲーム『NFL クォーターバッククラブ』シリーズでは、2002年に開発中止となるまで使用された。2008年版『ナイトライダー』の「ナイトの夜明け」の回では、KITTが秘密のメッセージを隠すところで楽曲「Absurd」が使用された。 フルークの権利関係の代理人であるV2ミュージックのデイヴィッド・スティールは、楽曲が映画に使用された場合は、可能な限りその映画のサウンドトラックに収録することを保証してもらうよう働きかけている。 「 スティールは「その映画のサウンドトラックに収録されるという条件で、楽曲を使用する権利を認めた」と認識している。この方法により「その楽曲が単に映画で流れるだけに比べ、より大きな金額を稼ぎ出すことができる」と彼は述べている。 」 このようにメディアに取り上げられたことは、フルークのメンバーにとって喜ばしいものであった。ジョン・ファグラーは『ビルボード』誌のインタビューの中で以下のように述べている。 「 バンドの成功というものは、そのバンドが何をするかに懸かっているのであって、その音楽が何に使われたかというのとは関係がない。イギリス国内での話になってしまうが、もし誰かが何か普通の商品の広告で流れたのを聴いて、そのバンドや作曲家について『商業主義に迎合して信念を曲げたから印象が悪い』などと思うだろうか。そのように考える人など、もはやいないだろう。 」 1997年のアメリカにおけるフルークの売り上げは合計14,000枚で、ケミカル・ブラザーズが『ディグ・ユア・オウン・ホール』の1作で売り上げた200,000枚と比べると控えめなものであった。ファグラーは『ビルボード』誌のインタビューの中で、「その期待値は音楽と無関係な人たちによる、ビジネス・レベルから出てきた話だ」と述べ、音楽シーンの外部にいる人たちがアメリカにおけるエレクトロニカ・ブームを過大評価して予測した数字であると理解していた。しかしながら、この商業的失敗にも気丈に「雑誌の表紙を飾るのが目的ではない」と述べている。
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